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号泣…沙保里負けた 五輪へ暗雲?

 決勝でロシア選手に敗れ、涙が止まらない55キロ級の吉田沙保里

 「レスリング女子国別対抗戦W杯」(27日、代々木第二体育館)

 ロンドン五輪で3連覇を狙う55キロ級の吉田沙保里(29)=ALSOK=が、決勝のロシア戦で、19歳のワレリア・ジョロボワに1‐2で逆転負けした。吉田の敗戦は08年1月のW杯(中国)以来で、連勝が「58」でストップした。また、72キロ級の浜口京子(34)=ジャパンビバレッジ=が敗戦後、五輪後の引退を示唆した。大会は日本がロシアを5‐2で下した。

 絶対女王が表彰台で泣いた。負けて聴く「君が代」が悲しい。肩を震わせながら、吉田は流れ続ける涙を何度もぬぐった。

 日本勢が4連勝し、6年ぶりの優勝を決めて迎えた5番手に登場。それほど緊張感のない場面で大番狂わせが起こった。第1ピリオドこそ無難に制したが、その後はエアポケットに入った。

 吉田は「タックルに入ろうとして『返されるのではないか』と頭の中で“見えないもの”にブレーキをかけられた」と振り返った。第2、第3ピリオドでは攻めながら、“うっちゃり”のような形でポイントを奪われて逆転負けした。

 119連勝でストップした4年前のW杯で喫した悪夢の再現。国内では01年12月の全日本選手権で山本聖子に負けて以来、同じ会場で10年5カ月ぶりの黒星。ぼう然と立ち尽くし「情けない…」と漏らした。

 新たに取り組む接近戦でのタックルに迷いがあったことも敗因となった。「相手の中に入る勇気がなかった。あと2カ月、どうすれば勝てるかを考え直し、間に合わなければ元に戻す。ロンドンではこの涙をうれし涙に変えて、笑って終わりたい」と前を向いた。

(2012年5月28日)

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