バド松友「タカマツ」で金メダル宣言

 バドミントン女子ダブルスで、徳島県藍住町出身の松友美佐紀(24)=日本ユニシス=がリオデジャネイロ五輪出場を決めている。高校時代の1年先輩・高橋礼華(25)と組む「タカマツ」ペアは現在世界ランク1位。国際大会で多くのタイトルを獲得するなど、確かな実力を身につけた。両親や恩師ら地元から届く熱い声援も力に変えて、目指すは「金メダル」だ。

 まっすぐに前を見つめ、松友はためらいなく言い切った。

 「ずっと2人で、オリンピックで金メダルを取りたいという思いでやってきた。簡単なことではないと思うけど、結果を出したい」

 5月10日、香川県坂出市で行われた日韓交流大会。故郷・徳島から両親や中学時代の恩師らが駆けつけた中、「タカマツ」は韓国の強豪ペアを下し、世界ランク1位の貫禄を示した。試合後、松友が口にした言葉には、金メダル獲得への強い意欲がにじみ出ていた。

 母・千恵美さんの影響で、松友は物心つく前からラケットを握っていた。6歳から地元の「藍住エンジェル」で競技を始めるとメキメキ上達。それまで習っていた水泳と器械体操をやめてバドミントン一本に絞った。

 勉強も常に学年トップクラス。父・伸二さん(53)は「負けず嫌いで頑張り屋だった」と話す。徳島中で松友を指導した恩師・西野昌明監督(81)は「頭が良く、発想が豊かで手先が器用。ネットイン(シャトルをネットに触れさせて相手コートに落とすショット)を狙って打っていた。そんな子はほかにいなかった」と振り返る。

 中学卒業後は親元を離れ、全国屈指の強豪・聖ウルスラ学園英智高(宮城)に進んだ。「寂しかったけど、本人が決めたことだから」と母・千恵美さん。1学年上に高橋がいた。強打が持ち味の高橋と、技巧派の松友。ダブルスを組むと相性抜群だった。2年時にはダブルス、シングルス、団体の3冠を達成。日本ユニシス入社後もコンビを組み、日本代表として世界のトップへと駆け上がった。

 今月8日の母の日。松友は千恵美さんにピンクのバラの花を贈った。「いつもありがとう」と、短いメッセージも添えられていた。3日後。母は、娘が大好きな地元の洋菓子店で買ったチーズケーキを手に、坂出市の会場に駆けつけた。

 海外遠征などで忙しい娘と顔を合わせたのは約半年ぶり。勝利を見届けた母は「けがをして苦しい時期もあった。よくここまで来られたと思います」と話し、父・伸二さんも「自分の娘ではない感じ。すごいと思う」と感激の面持ちだった。

 リオ五輪開幕まで、あと2カ月半。熱い期待を背に、松友は最後の仕上げに入る。「できる限りの準備をして、力をつけて、いい試合をしたい」。表彰台の一番上を見据え、夢舞台に乗り込む。

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