田中亮明、弟・恒成に続き夢舞台だ!

 前世界ミニマム級王者田中恒成
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 「ボクシング・リオ五輪世界最終予選」(14日、バクー)

 兄と弟。道は違っても目指すのは世界の頂点だ。リオデジャネイロ五輪の出場権をかけたボクシング世界最終予選が14日にアゼルバイジャンのバクーで開幕する。フライ級には、昨年度のアマ年間MVP、田中亮明(22)=中京高講師=が出場。プロボクシングの前世界ミニマム級王者、田中恒成(20)=畑中=の兄であるサウスポーが、五輪切符をかけた最終決戦に挑む。

 今春から母校の教壇に立つ現代社会の新人教師が、弟に続いて世界最高峰のリングを目指している。「あいつは目標の世界王者になった。僕の夢はずっとオリンピアン。僕も目標を達成したい」。田中を奮い立たせるのは、日本最速プロ5戦目で世界王座に就き、今は2階級制覇を目指している恒成の存在だ。

 子供の頃からともにグローブを手にしてきたが、弟とは違う道を歩んだ。恒成は中京高時代にプロ転向。中京高、駒大で国体4連覇や全日本選手権優勝など輝かしい成績を残した田中は、アマにこだわり続けた。大学卒業時には練習環境の整った自衛隊やプロからも誘いがあったが、すべて断り教員の道へ。元東洋太平洋王者で世界挑戦経験もある高校のボクシング部の恩師、石原英康監督(40)の背中を追った。

 授業の準備、ボクシング部の指導と多忙な中で自身の練習もこなす。昨年12月のリオ五輪テスト大会では金メダルを獲得。しかし、3月のアジア・オセアニア予選は準々決勝で敗退し、世界最終予選へ回った。ラストチャンスで五輪出場権を得る5位以内を目指す。

 石原監督に憧れて、右構えから左構えに転向。磨いた左ストレートが最大の武器だ。最近はフットワークにも磨きがかかった。

 「最後に勝つのは自分のボクシングに芯を持っている選手。自分を貫ける選手だと思う」。弟に負けじと貫いた五輪一筋の道。夢のリングは目前だ。

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