室伏、イチローに刺激受けリオ目指す!
リオデジャネイロ五輪の最終選考会となる日本選手権(24日開幕・瑞穂)で2年ぶりに競技に復帰することを決めた陸上男子ハンマー投げアテネ五輪金メダリストの室伏広治(41)=ミズノ=が17日、都内で公開練習を行った。1歳年上で15日に日米通算最多安打4257安打を達成した米大リーグ・マーリンズのイチロー(42)に刺激を受けたという“鉄人”は、5大会連続となる五輪切符獲得へ、上々の仕上がりを披露した。
前人未到の20連覇を達成した14年日本選手権から2年。久々に室伏が、ハンマーを投げる姿を披露した。投てきの度に思案を巡らせながら鉄球を回収し、再び美しいフォームから放物線を描く。究極を追い求め、理想を追求する。世界を制した“鉄人”の変わらぬ姿がそこにあった。
陸上では日本人初となる5大会連続の五輪切符を自力でつかむには、日本選手権で参加標準記録77メートルを突破することが最低条件。本格的に練習を再開してからは日が浅く、本人は「正直言って状態としては難しい」と慎重だ。ただ、17日は「安定した投てきを意識した」と全力ではない中、10度の投てきで60メートル後半から70メートルを記録。「感触は良かった。技術的にはいい。あとはコンディションが整うか」と、手応えはつかんでいる。
同世代の活躍にも刺激を受けた。1歳年上のイチローが、通算4257安打の日米通算安打記録の偉業を達成。「体を維持し、トップパフォーマンスを出し続けている。自分も続けたい気持ちがある」と、今後の現役続行にも意欲を見せた。
投てき前にはチューブを使った独特のストレッチや砲丸を手に持ってのランニング、練習後にはバーベルに鉄球を巻き付けてのウエートトレーニングと、独自の調整法も披露した。20年東京五輪組織委員会のスポーツディレクターとして忙しく働きながら「この2年で開発してきたもの」と、競技への情熱は衰え知らず。記念すべき第100回の日本選手権で、“世界の鉄人”室伏が、健在ぶりを見せつける。