「ラグビーＷ杯・１次リーグＡ組、日本－アイルランド」（２８日、静岡スタジアム）

　予告トライ、再び－。ラグビー日本代表は２６日、アイルランド戦に臨む登録メンバー２３人を発表した。ＣＴＢ中村亮土（２８）＝サントリー＝はロシア戦前と同様にＷＴＢ松島幸太朗（２６）＝サントリー＝が２トライ宣言していたことを暴露。１次リーグ最大の強敵を、絶好調男が突き破る。また、フランカーのリーチ・マイケル主将（３０）＝東芝＝は控えに回り、スーパーサブとして起用される。

　世界ランキング２位の強豪を、その快足で沈める。会見で松島の予告トライ数を聞かれた中村は、「松島は『２トライ』って言ってました」とエースに代わって“宣言”。「マノ（控えＷＴＢのレメキ）も２トライ取ると言っていたので、４トライは確実です」と笑ってみせた。

　ロシア戦（２０日）を控えた１８日だった。松島と並んで会見した中村は「松島が『３トライを取る』と言ったので、有言実行してもらいます」と暴露。結果は予告通りの３トライ。今回は松島の２トライ、ついでにレメキの２トライも加わって、勝ち点にボーナス点が加算される計４トライを予告した。

　簡単な相手ではない。初戦で世界８位の強豪スコットランドをノートライに抑える完勝。難攻不落の相手だ。

　それでもジェイミー・ジョセフヘッドコーチ（ＨＣ）は「松島は非常にいいパフォーマンスをしているので、彼のところにしっかりボールを回せばスコアできる」と言う。ロシア戦後に「外からフェラーリが突進していくようだ」と表現したトライゲッターに期待を寄せた。

　根っこはシャイな松島。目立つことが大嫌い。だが、ラグビーという舞台では、目立つことをいとわない。「自分が得意なところでしっかり見てもらおうというのはあるので、得意分野で結果を出したい」。グラウンドは松島にとって自己表現の場になっている。

　２大会連続の出場。「１５年は与えられた仕事をこなしたという感じ。今大会は与えられた仕事以上のことをしなきゃいけない」。リーダー陣の一人として、チーム内で発言する数も激増。確かな自覚が芽生えている。

　将来は「ヨーロッパに行けるのであれば、行きたい」と海外移籍を思い描いている。夢の実現へ、難攻不落の相手に決めてこそ最大のアピール。有言実行の２トライで、世界への扉を開く。