稲垣啓太“松島ロード”切り開く アイルランド戦の鍵は「ディシプリン」
「ラグビーW杯・1次リーグA組、日本-アイルランド」(28日、静岡スタジアム)
ラグビー世界ランク9位の日本代表は27日、同2位のアイルランド代表戦(28日・エコパ=静岡)に向けて本番会場で前日練習を行った。ロシア戦後にジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC=48)から「フェラーリ」と形容されたWTB松島幸太朗(26)=サントリー=が会見し、対面する身長196センチの大型WTBジェーコブ・ストックデール(23)のイメージを「速いトラック」表現。赤いフェラーリが緑のトラック野郎を粉砕し、予告した2トライを実現する。
背番号1の献身が予告トライを後押しする。プロップ稲垣は2トライ奪取を宣言したWTB松島について「僕らがしっかり仕事をして、彼のためにスペースを作って、彼がトライを取る。FWとしてそれが理想」と“アシスト”を約束した。
「僕は代表に7年間入ってて1回もトライしたことがない」と報道陣の笑いを誘いつつ、「何千回に1回くらい、僕らFWがトライするシーンもあり得るかもしれない」と付け加えた。英ブックメーカー「ウィリアムヒル」のオッズでは稲垣のトライは13倍で、日本勝利の7倍よりも高オッズ。稲垣がトライを奪うことがあれば、世紀の番狂わせに直結するかもしれない。
世界屈指のパワーを誇る相手FWに対し、「反則を与えず、どれだけ我慢強く守れるか。鍵になるのはディシプリン(規律)」。ラグビー憲章にも書かれた言葉を4度繰り返し、精悍(せいかん)な顔を引き締めた。2年前、大敗を喫した雪辱を果たす準備はできている。