【伊藤鐘史が斬る】2、3本目のトライにジョセフ日本のアタック凝縮
「ラグビーW杯、1次リーグA組、日本28-21スコットランド」(13日、日産スタジアム)
A組は世界ランキング8位の日本が28-21で同9位のスコットランドを破り、4連勝の同組1位で初の8強入りを決めた。2015年の前回大会で苦杯をなめたフランカーのリーチ・マイケル主将(31)=東芝=が攻守でチームを鼓舞。WTB松島幸太朗(26)=サントリー=らが計4トライを挙げ、歴史的快挙を成し遂げた。20日の準々決勝で、B組2位の南アフリカと4強入りを懸けて激突する。
◇ ◇
しびれました。感動しました。アタックの前半にディフェンスの後半。2つ目と3つ目のトライにジェイミー・ジャパンのアタックが凝縮されていました。
2つ目のトライはオフロードパスの連発でした。あの舞台ではボールキープを考えてしまうところですが、チャレンジできる勇気がすごい。数試合では得られない自信があるから挑戦できるのです。3年かけて積み重ねてきたからこそ大舞台で生きたのです。
3つ目の福岡のトライは、ラファエレの裏へのキックからでした。相手がフロントラインに視線を送ってくると見るや、裏に転がしました。そのバランスが絶妙でした。
福岡はベストパフォーマンスを出せる体が戻っていました。後半最初にボールを奪って駆け巡った場面といい、松島のトライにつなげたシーンといい、ワールドクラスのスピードを持った選手です。そして松島の速さも抜群でした。
ディフェンスでは全員が立つ意識を持っていました。タックルの後、すぐに次の仕事をしていました。足元ばかりではなく、しっかり肩を使い、ヒットできていたタックルに成長を感じました。
南アフリカ戦ですが今日のような質の高いプレーをしたら、アタックで付け入る隙はあります。勝機はあります。(2015年W杯日本代表ロック。現京産大コーチ)