SH流大、自慢の美声で勝つ 冷静に!元気よく!時には叱咤でジャパンまとめる

 「ラグビーW杯・準々決勝、日本-南アフリカ」(20日、味の素スタジアム)

 鼓舞する声がある。叱咤(しった)する声がある。ラグビー日本代表は19日、W杯準々決勝・南アフリカ戦に向けて東京都内で最終調整を完了。5戦連続先発出場するSH流大(27)=サントリー=はリーダー陣の一員として、スピード豊かなプレーはもちろん、ひときわ大きなよく通る声で日本代表を引っ張ってきた。初体験の決勝トーナメント。優勝候補・南アフリカ戦。20日は2016年に胆管細胞がんで亡くなった「ミスターラグビー」平尾誠二さんの命日でもある。流がプレーで引っ張り、声で背中を押す。

 小さくともよく響くウグイスの鳴き声のように、166センチ、71キロの小さな体から発される声が、グラウンドにこだまする。重量級FW勝負を挑む南アフリカに対抗する日本FW陣。SHとしてその背後でプレーする流は言う。

 「冷静にFWの選手に声をかけながら、チームにもエナジーを与え続ける。それが僕の役割です」。声での後方支援を誓った。

 ここまで4戦連続先発出場。その速い動きと巧みなパス回しで試合をコントロールしてきた。日本初の決勝トーナメント。「意識させずに同じ準備をしようとやってきた」と平常心で目の前の一戦に臨む思い。「オフザボールの動きとかフィットネスには自信をもっている。そこで相手を上回りたい。スマートにボールを動かして早い展開にもっていく」と戦略を描いた。

 荒尾高、帝京大、サントリー、そしてスーパーラグビーに参戦する日本チームのサンウルブズ。所属するすべてのチームで主将を務め、日本代表でもリーダー陣の一角を担う。SHとしてのプレーとともに、練習では率先して声を出して鼓舞。試合での声は、チームを勇気づけてきた。

 「元気よくやるというのは元からやっていた。今はリーダーとして適切な場所で適切な声を出すことを意識しています」と話していたことがある。声の重要性はあらゆるカテゴリーで感じ、世界最高峰の舞台でもそれは変わらない。

 その声は、時にはチームを叱咤する。スコットランド戦前の練習で、軽率なミスが重なったときだった。「今の時点でレイドローに(PGで)12点決められている。W杯で命取りになるからソフトなペナルティーはやめよう」。それはリーチ主将が「キレていた」と言うほどの声だった。

 「ノドのケア?していないです。親から授かった、自分でもいい声だと思っているので、親には感謝したいと思います」。その美声で、ウグイス流が勝ち鬨(どき)を上げる。

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