エディー・イングランド完敗準V NZ倒から7日ノートライ終戦「南アが良すぎた」
「ラグビーW杯・決勝、南アフリカ32-12イングランド」(2日、日産スタジアム)
前日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ監督率いる世界ランキング1位のイングランドは、同3位の南アフリカに12-32で敗れ、03年以来2度目の制覇はならなかった。南アフリカは07年以来3大会ぶり、ニュージーランドに並ぶ最多3度目の優勝。日本が初の8強入りを果たす快進撃を見せて国内に大フィーバーを巻き起こした日本大会は、全国12会場、44日間の戦いを終え閉幕した。
勝利へのシナリオはどこから狂ってしまったのか。イングランドのエディー・ジョーンズ監督は潔く負けを認めた。
「今週われわれは良い準備をしてきたけれど、きょうはゲームの波をつかむことができなかった。南アフリカが良すぎた」
試合の流れを決めたのはスクラムだった。スクラムで相手にPKを与えたのは前半だけで4回。うち2回がPGによる失点に直結してしまう。
「反則で試合の流れを相手に持って行かれてしまった」。準決勝まで獅子奮迅の働きだったロックのイトジェもうなだれるだけだった。
英国の記者から「準決勝はあんなに良かったのになぜ今週は?」という質問が飛ぶ。指揮官は「なぜそう考えるんだ?」と聞き返した。
「このW杯には世界の20チームが参加した。その中でわれわれは2位に入った。私は選手たちを誇りに思う。もちろん1位になりたかった。だけど、彼らの努力が足りなかったわけではないんだ」
前回大会、イングランドはホストながら、1次リーグ敗退という屈辱を味わった。そこが初の外国人指揮官となったエディーの出発点だった。
「日本でのW杯は素晴らしかった。会場はどこも満員で最高の雰囲気だった。過去最高のW杯だったと思う。残念なのは僕らがきょう勝てなかったことだけ」
エディーはそう言うと笑って「でも、明日は、またやって来ます」と付け加えた。勝負を知り尽くした人の笑顔だった。