白鵬 “疑惑”の立ち合いで白星 解説陣から苦言「両手ついてませんから」

 「大相撲夏場所・9日目」(21日、両国国技館)

 横綱白鵬(宮城野)は前頭五枚目の琴奨菊(佐渡ヶ嶽)を上手投げで下し、1敗をキープ。ただ、疑惑の立ち合いに解説陣から苦言を呈された。

 問題の立ち合い。白鵬が一度間を嫌って自ら立ち上がり、仕切り直しとなった。2度目は勢いよく立ち上がり、立ち遅れた琴奨菊を一気に土俵際まで押し込んだ。その後、一時は押し返されたが、立ち合いで主導権を握っていた白鵬が豪快な上手投げを繰り出し、土俵中央に転がした。

 堂々と勝ち名乗りを受けた白鵬だったが、NHKの解説を務めた鏡山親方(元関脇多賀竜)は「本当にうーんですよね」と押し黙ったまま。立浪親方(元小結旭豊)も微妙な反応を示し、「立ち合いから、もうフライング気味というか…早かったですよね。白鵬の立ち合いが」と、注文を付けた。

 立浪親方は「最初の待ったはいただけなかった。でも、やっぱり強かった。早いですよ、踏み込みが」と、一定の評価も与えた。ただ、VTRでは仕切りで白鵬の手が土俵についていないように映り、鏡山親方は「両手ついてませんから。ねえ…。ちょっと、どっしりと構えて立ってほしい」と、不満を口にした。

 白鵬はエルボー気味のかち上げや張り手など、乱暴な立ち合いを問題視され、昨年12月に横綱審議委員からも苦言を呈された。今年は初場所から2場所連続休場。復活優勝を目指し、全勝の栃ノ心を追走している。

 10日目、白鵬は再出場する遠藤(追手風)と対戦する。

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