松山満足感なし「来年、今年以上を」
「マスターズ・最終日」(12日、オーガスタ・ナショナルGC=パー72)
松山英樹(23)=LEXUS=が3日連続のイーグルに加え、4バーディーでこの日のベストスコアに並ぶ66をマークし、日本人最少の通算11アンダーで、メジャー自己最高の5位に入った。
松山がオーガスタに大きな足跡を残した。ホールアウトした時点で01年の伊沢利光、09年の片山晋呉に並ぶ日本人過去最高の4位。最終的には5位になり、メジャーでの自己最高成績を残した。
「感想は、ない。『やった』という気持ちもない」。メジャーで勝つ-、という思いが「もともと強いので」、満足はしていなかった。勝てない試合はどんなに好プレーがあっても、後悔が「残る」と唇をかんだ。
マキロイと並ぶ、最少スコア66をたたき出した最終日。8番で初バーディー、10、11番で連続バーディーを奪った。13番パー5は、ティーショットを右の松林に打ち込みながら、インテンショナルスライスをかけてピン左4メートルにナイスオン。これを沈め、3日連続イーグルにガッツポーズも飛び出した。
さらに18番はピン上3メートルを読み切り、バーディーフィニッシュ。4日間続けてアンダーパーをマークしたのは日本勢初だ。
「60台はうれしい」。珍しく納得の表情も浮かべた一方で、「できたうれしさもあるけど、優勝争いの中でこういうプレーをするために練習してきたので、3日目までは残念だった」と、本音も漏らした。
アジアのアマチュアに門戸が開かれてすぐに出場した2011年。東北福祉大在学中、東日本大震災を体験した直後に初めて臨んだ大会がマスターズだった。昨年は、プロとして初めて出場しながら、左手首の負傷もあり予選落ち。松山に近い関係者は「特別な思いを持っている」と明かす。そして、4度目のオーガスタで、メジャー自己最高成績を手にした。
来るたびに血となり肉となるマスターズ。「1年後、今年以上のものを出せるように」。グリーンジャケットを見据えつつ、次戦のキャデラック世界マッチプレー選手権(29日開幕、カリフォルニア州)から再びスタートを切る。