前回覇者山下プロ兵庫県OP攻略法語る
「デイリー主催・兵庫県オープン」(7月15日開幕、センチュリー三木GC=パー72)
「第35回兵庫県オープンゴルフトーナメント」は7月15日(水)、16日(木)の両日、兵庫県三木市のセンチュリー三木ゴルフ倶楽部で開催される。6月17日(水)、25日(木)、30日(火)に行われるアマチュア予選会を前に、昨年の優勝者である山下和宏プロ(41)に同コースをラウンドしてもらい、コースの印象や攻略法、兵庫県オープンへの思いなどを聞いた。
昨年、見事な逆転優勝を果たした思い出のコースへの“凱旋”。ディフェンディングチャンピオンとして今年の大会を迎える山下プロは、切れのあるショットと、絶妙なアプローチとパッティングを駆使しながら18ホールを回った。
◆コースの印象&攻略法
山下「隅々まで手入れが行き届いて、改めてきれいなコースだと感じた。コースの幅は広いので、思い切ってティーショットを打っていける。OBゾーンのプレッシャーがそれほどない分、伸び伸びとドライバーを振ることができる」
とはいえコースレイアウトは戦略性に富んでおり、攻略するには決して簡単なコースではない。特に山下プロが指摘するのはグリーンの難易度の高さだ。
山下「グリーンがそれほど大きくないので、しっかりとターゲットを絞った精度の高いアイアンショットが求められる。グリーンもマウンドがあったり、2段グリーンだったりしてアンジュレーションがよく効いている。乗せどころを間違えると3パットの危険性が高くなる」
何よりも求められるのが冷静なコースマネジメントだ。
山下「グリーン周りも難しいので、ピンを狙って、結果的に難しいアプローチを残さないようにしたい。打ってはいけないところをしっかりと見極めることが大切だ」
キーホールに挙げたのが6番パー4。
山下「ティーショットは右サイドはバンカー、左サイドはラフが効いている。2打目の距離感も難しく、奥に外すと難しいアプローチが待っている。十分に注意しなければいけないホールだ」
◆競技ゴルフのススメ
兵庫県オープンはプロとアマチュアが同じ組でプレーする。アマチュアにとってはプロの真剣勝負を間近で見られる絶好の機会。そして、山下プロが本気で上達を目指すアマチュアに勧めるのが競技ゴルフへの挑戦だ。
山下「ゴルフは緊張感のある中でプレーしないと、なかなかレベルアップしない。緊張感の中で自分の技術の未熟さがより目立ち、それを知ることが上達につながる。レベルアップを目指す方は、ぜひ競技ゴルフに挑戦してもらいたい。真剣勝負の中で何度も失敗を重ねて悔しい思いをすることが上達への近道だと思うし、いいショットを打てた時の喜びも格別。遊びのゴルフとはまったく違う」
現在、アマチュア予選会の参加者を募集している。関西一円から腕自慢が集うハイレベルな大会だが、ぜひとも日頃の練習の成果を発揮し、本大会でのプロとのラウンドを目指してほしい。
◆兵庫県オープンへの思い
山下プロは無名だった07年にもこの大会を制している。藤田寛之や宮本勝昌らトッププロを抑えての栄冠だった。この優勝が大きな自信となり、翌年に待望の賞金シードを獲得。以来、7年間シード選手として安定した成績を残している。
山下「僕は高校卒業後、兵庫県のゴルフ場で研修生となり、プロになってからも兵庫県を拠点に活動してきた。そんな縁もあって、兵庫県オープンは憧れの大会だった。ツアーの出場権を持たない若手にとってはシード選手と同じ土俵で戦えるいい機会。僕も多くの刺激を受けた」
そんな憧れだった大会で昨年、7年ぶり2度目の優勝。
山下「07年に初優勝した時はシード選手にも勝って、自分もツアーでやっていけるのではという成長を感じることができた。そして昨年、また優勝できたことで、まだまだ自分は成長し続けているんだと確認できた」