手嶋神懸かり首位浮上「もうおかしい」
「ミズノオープン・第3日」(30日、JFE瀬戸内海GC=パー72)
7位から出たホストプロの手嶋多一(46)=ミズノ=が5番からの5連続を含む7バーディー、1ボギーの66を出し、通算12アンダーで前日首位のスコット・ストレンジ(オーストラリア)と並んでトップに立った。昨年の日本プロ選手権以来のツアー8勝目と02年以来となる全英オープン(7月16日開幕・セントアンドルーズ)出場を狙う。
神懸かりとはこのことだ。手嶋が5番から怒とうの5連続バーディーでリーダーズボードを駆け上がった。5番で5メートルを沈め、6番パー5は2オン2パット。7、8番も2、3メートルを入れ、9番は8メートルを放り込んだ。「奇跡的なバーディーラッシュ。これはもうおかしいですよ」と自分で自分のプレーに驚いた。
所属先は93年プロ転向からミズノ一筋。今大会のホストプロ優勝は86年の中島常幸以降なく、例年重圧がかかる中で戦っている。昨年は2日目にトップに立ちながら、3日目に75と崩れてV逸。この日は鬼門の3日目だったが、心配は杞憂(きゆう)に終わった。
「1番でボギーたたいた時はまたかと思ったけど、今年はゴルフ内容がいいので、落ち着いてプレーできた」
頼れるパートナーが支えてくれる。今年も勤続25年のハウスキャディー、三島千春さん(49)に依頼し、難しいラインの読みを任せている。「自分がフックと思ってスライスというラインが3つ4つあった。見えないラインが見える人。すごく助かる」と感謝した。
今大会で上位4人に入れば全英オープンの出場権を得られる。これまで全英オープンは01、02年に出場しているが、ともに予選落ちだった。最終日に向けて「優勝はなかなか難しいが、全英には引っ掛かりたいから、60台を目指す」。元祖天才ゴルファーが不敵に笑った。