大山劇的V「いろんなことが頭に」
「ヨネックスレディース・第3日」(7日、ヨネックスCC=パー72)
首位からスタートした大山志保(38)=大和ハウス工業=が、中盤苦しみながらも最終ホールのバーディーで混戦を制し、通算10アンダーで今季初優勝を飾った。昨年10月のマスターズGCレディース以来となるツアー通算16勝目。
これを決めれば優勝。最終18番パー5のグリーン上で1メートルのバーディーパットを前にした大山。「いつもなら迷わずに打つパットなのに…。いろんなことが頭に浮かんで、待ってる時間がすごく長く感じた」という。
タッチが弱ければわずかに右に切れるライン。「私らしく、強めにまっすぐ打つ」。そう決めて打ったボールがカップに沈むと、両手を突き上げ、ひときわ派手なガッツポーズで大歓声に応えた。
06年以来となる2度目の大会制覇。9年間のさまざまな出来事が脳裏をよぎった。06年は絶好調で賞金女王になったが、08年から肘の痛みに悩まされ、09年に手術を受けた。「もうこんな場所には戻って来られないと思った時もあった」と明かす。だからこそ優勝の喜びは大きかった。
スコアカードの提出を終えると「あ~、これでスイーツが食べられる」と笑みがこぼれた。「優勝するまではって願掛けしてきたので。今日だけスイーツ解禁。クリームいっぱいのイチゴケーキをホールで食べたい」。
今後の目標には「これに満足せずに2勝、3勝を目指す。自信も出てきた」。1日限定でスイーツを堪能したあとは、また写真を見たり、他人の感想を聞いたりの“エアケーキ”を再開する。