松山、猛追64で9位 ファンも大興奮
「ダンロップ・スリクソン福島オープン・最終日」(26日、グランディ那須白河GC=パー72)
25位からスタートした松山英樹(23)=LEXUS=が10バーディー、2ボギーの64をマーク、一気に通算18アンダーまでスコアを伸ばし9位で大会を終えた。
有言実行の18ホールだった。松山が10バーディーを奪って64のビッグスコアをたたき出し、リーダーズボードを駆け上がった。前日のホールアウト後に宣言した「明日は10アンダー」には2打及ばなかったが、世界ランク15位の実力を存分に発揮。体調不良の中でも最後はベスト10に入ってみせた。
2番で3パット、3番も奥からのアプローチを寄せきれず、いきなりの連続ボギー。並の選手なら心が折れる場面だが、怪物はメンタルの強さもケタ違いだった。「ショットをしっかり打つことができれば、残りホールで全部バーディーを取れる」とすぐさま気持ちを切り替えた。
言葉通りに3打目をベタピンに寄せた4番から4連続バーディー。後半もバンカーから1・5メートルに乗せた13番から5連続バーディーを奪った。18番で2メートルを外して取りこぼしたが、大ギャラリーから「ありがとう!」の大声援を浴び「すごくうれしかった。それに(声援に)見合うプレーがこの10個のバーディーでできた」と充実の笑みも浮かべた。
東日本大震災で被災した第2の故郷・東北を勇気づけようと出場した今大会。体調不良に苦しみながらも懸命にプレーする姿が感動を呼んだ。
今後はわずかな休暇の後、WGCブリヂストン招待(8月6~9日)を経てメジャー最終戦の全米プロ選手権(同13~16日)に参戦する。「全米プロでいいプレーをするため、しっかり準備したい」。福島の4日間を糧とし、主戦場の米国で大暴れする。