畑岡奈紗、史上初のアマ初出場首位発進

 「女子ゴルフ・樋口久子Pontaレディース・第1日」(30日、武蔵丘GC=パー72)

 またまた新たなスーパー女子高生が出現した。勝みなみや新垣比菜と同学年の高校2年生、7月の世界ジュニアを制した畑岡奈紗=はたおか・なさ(16)=茨城・翔洋学園高=が4バーディー、ノーボギーの68で回り、4アンダーで首位発進した。国内女子ツアーで、初出場のアマチュア選手が首位スタートするのは史上初。1打差の2位に武尾咲希(21)=GOLF5=が続いた。

 女子ゴルフの“黄金世代”からまた一人、2020年東京五輪代表候補が飛び出した。

 畑岡は今年の世界ジュニア選手権チャンピオン。名前の「奈紗」は、父が「前人未到の地を踏んでほしい。国際派の人間になってほしい」との思いを込めてNASA(米航空宇宙局)からとったものだ。

 この日は、26日のマンデー予選を勝ち抜いて初めて出場権を得たプロツアー初戦。「思ったよりは緊張しなかったけど、昨日の夜中は何度か起きたりはしました。同組の三塚優子さんがスタート前に欠場されて、一ノ瀬優希さんと2サムだったのでゆっくり落ち着いてプレーできたのも良かった」と畑岡。

 3番で4メートルのパットを沈め、バーディーが先行すると「ロングパットの距離感が合わずショートすることが多かったけど、1~2メートルのパーパットがよく入って、うまくしのぐことができました」と、ボギーのないまま後半へ。

 11番で3・5メートル、13番で2メートル、16番で1メートルと、さらに3つのバーディーパットを決めて68。ツアー史上初の「アマチュアで初出場首位発進」の快挙を成し遂げた。

 「昨日までも、今朝の練習でも、ショットの調整が思うようにできないままだった。でも、ゆっくり振るように心がけていったら…」目標だったパープレーを大きく上回るゴルフができたという。身長158センチと小柄ながら平均飛距離260ヤードのドライバーショットを武器に、プロ選手全員を押しのけて単独トップに立ったのだから恐れ入る。

 同学年に勝や新垣らプロツアーで活躍するライバルがいる。「すごく刺激を受けています。去年の日本ジュニアでは(勝)みなみちゃんに最終日に6打差を逆転されて負けましたし。あの時の経験が世界ジュニアVにつながったし、“勝ちたい”気持ちがみなみちゃんより弱かったと思った」と振り返る。

 将来、日本の賞金女王と全米女子オープンタイトルを狙う16歳は「ローアマが目標でしたけど、チャンスが来たら優勝を狙いたいと思います」。残り2日間も臆することなく暴れ回る。

 ▽畑岡奈紗(はたおか・なさ)1999年1月13日、茨城県笠間市出身。11歳の時、母について練習場へ行ったことからクラブを握り、中学3年時から中嶋常幸主宰のジュニアアカデミーに入門。昨春、翔洋学園高に進学し、今年は世界ジュニア選手権、関東高校選手権夏季大会、国民体育大会個人で優勝。得意クラブはドライバー。家族は両親と妹。目標の選手は中嶋常幸と宮里藍。158センチ、62キロ。

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