優作、有言実行の逃げ切り優勝
「男子ゴルフ・ダンロップ・フェニックス・最終日」(22日、フェニックスCC=パー71)
首位からスタートした宮里優作(35)=フリー=が4バーディー、2ボギーの69で回り、通算14アンダーで今季初優勝。昨年の東建ホームメイト杯以来となるツアー通算3勝目を挙げた。4位から出た松山英樹(23)=LEXUS=は1イーグル、4バーディー、2ボギーの67で回り、通算12アンダーまで追い上げたが、藤本佳則と並んで2位だった。
有言実行の逃げ切り優勝だった。単独首位に立った前日の記者会見で「後輩たちのカベになる」と宣言した。この日は東北福祉大の後輩にあたる藤本、“怪物”松山が激しく追い上げてきたが、みじんも動じなかった。
この朝、スーツケースを開ける際に左手親指に切り傷を負った。ばんそうこうが微妙にショットに影響を及ぼし2ボギーが先行。だが、4番で出血するのも構わず、ばんそうこうをはがしてから調子に乗り、7番で起死回生のバーディー。後輩たちに先輩の意地を見せつけた。
「2人は本当にうまいので、彼らの存在が僕の集中力を持続させてくれた。僕にはカベになってくれた先輩がいたように、これからも彼らのカベになれるよう頑張りたい」
かつては“ガラスの心臓”と言われ、優勝争いをする度に崩れた。それが一昨年の日本シリーズJT杯で涙の初優勝を果たし、昨年の東建ホームメイト杯で2勝目を挙げてからメンタル面も強くなった。12番では3メートル、17番でも4メートルのパーパットを沈めたのは、その強い心の表れだった。
「常にブレない心を持っているのが強い選手と思う。自分はまだまだだけど、そこを目指していきたい」。初の年間獲得賞金1億円も目前。将来は海外でプレーする希望も捨てていない。大器晩成。宮里優が男子ゴルフをけん引する時がやってきた。