片山、新グリップが奏功し首位発進
「男子ゴルフ・日本シリーズJT杯・第1日」(3日、東京よみうりCC=パー70)
18年連続出場の片山晋呉(42)=イーグルポイントGC=が1イーグル、4バーディー、ボギーなしの6アンダー64で首位に立った。前夜思いついたというパターの新しい握り方がはまった。来春のマスターズ出場へ今季2勝目を狙う。2打差の2位に昨年賞金王の小田孔明、藤本佳則、前週優勝の黄重坤の3人が続いている。
ゴルフ界のアイデアマンがいきなりギャラリーの度肝を抜いた。スタートの1番グリーンで、片山がパターを握ると、どよめきが起こった。左手のひらを打ち出す方向に向けて親指と人さし指でシャフトをはさみ、そこに右手を添えた新グリップを初披露。これまで見たこともない握り方で、4メートルのバーディーパットを沈めた。
新グリップの効果は抜群だった。1番に続き2番で4メートル、3番で6メートルを放り込んで3連続バーディー。6番も3メートルを流し込み、2オンに成功した17番は6メートルのイーグルパットを決めた。「朝イチでいいのが入りましたね。今日は全部よかったです」と満足そうに自画自賛した。
新しい握り方を思いついたのは前日の夕方だった。都内の自宅に帰宅し、左手でふすまを閉めた際に頭の中で何かが光った。すぐさま洗面所の鏡の前でイメージをかき立て、この日の実戦投入を即決。「あ、これだって、急なひらめきでしたね。ふすまは左手でおしとやかに閉める。このおしとやかさがいいのかな」と充実の笑顔で振り返った。
新グリップが機能し、2位に2打差の首位発進を決めた。現在の目標は来年4月のマスターズ出場。現在66位の世界ランクが年末に50位以内に入れば出場権を得られる。そのためにも今大会の優勝はのどから手が出るほどほしい。「今週は勝とうと思ってここに来ている。マスターズにどうしても行きたいんです」。滑り出しは順調だ。