野村敏京米ツアー初V 世界1位に勝つ
「米女子ゴルフ・ISPSハンダ女子オーストラリアオープン・最終日」(21日、アデレードグランジGC=パー72)
首位から出た野村敏京(23)=フリー=が8バーディー、1ボギーの65をマークし、通算16アンダーで米ツアーを初制覇した。賞金は19万5千ドル(約2200万円)。14年から本格参戦した野村は、終盤の15番から3連続バーディーを奪って世界ランキング1位のリディア・コ(ニュージーランド)を突き放し、日本勢として4季ぶり9人目の米ツアー制覇を果たした。
最終日にベストスコアの65。最後まで崩れる気配はなく、強さを印象づける内容で野村が初の栄冠をつかんだ。優勝を争ったコやジェニー・シン(韓国)らに祝福で水を掛けられた。「こんなに早く優勝するとは思わなかった。まだ実感がないけどうれしい」と満面の笑みを浮かべた。
首位として最終組でスタート。武器のショットに加え、パットもさえ渡り5、6番と9、10番でともに2連続でスコアを伸ばし、途中からは1組前で回る世界ランク1位のコと一騎打ちの展開に。
年下の18歳ながら格上の相手にひるむことなく「もっと頑張らないと」と気合を注入。15番からは3連続バーディー。17番では10メートル以上のスライスラインをねじ込んで勝利を確信した。1974年に開かれた今大会の第1回優勝者は大先輩の樋口久子(現日本女子プロ協会相談役)。野村は「それを考えてもうれしい」と語った。
日本人の父と韓国人の母を持つ。幼少時代を横浜で過ごした後に韓国へ移り、ソウルの高校を卒業した。日本国籍を選択し、「骨をうずめる覚悟」で14年から米ツアーに本格参戦。今季は開幕戦で第2ラウンドまで首位、2戦目でも途中2位につけるなど好調で、“三度目の正直”となった。
世界1位に競り勝ち、最高峰のツアーで初勝利を挙げ「すごく大きな意味があると思う」とうなずく。コとの実力差を問われ「私の方が上じゃないかな」と冗談めかして喜びに浸った。