松山 最終日崩れ7位「悔しい」
「米男子ゴルフ・マスターズ・最終日」(10日、オーガスタナショナルGC=パー72)
首位と2打差の3位でスタートした松山英樹(24)=LEXUS=は4バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの73とスコアを落とし、通算イーブンパーの7位に終わり、日本男子初のメジャー優勝はならなかった。昨年の5位に続く1ケタ順位で、来年の大会出場権は獲得した。5位から出たダニー・ウィレット(28)=英国=が67で回り、通算5アンダーで優勝した。
日本男子初のメジャー制覇はならなかった。最終日にスコアを伸ばすことができず、7位に終わった松山は「悔しい」と言葉を絞り出した。だが、その表情には「いつかは必ずやれる」という確かな手応えも漂わせた。
わずかなほころびから、一気に崩れる怖さをはらんでいるのがオーガスタだ。4番パー3。松山はほぼ狙い通りのティーショットを放った。しかし、これがほんの少し短く、手前のバンカーに。
ここでのボギーが影響したのか、5番もパーオンできずにスコアを落とすと、続く6番パー3はティーショットを右の木に当て、2打目のアプローチもグリーンからこぼれ3オン2パットのダブルボギー。4番からの3ホールで4打を落として序盤で優勝争いから脱落した。
「絶好の位置からのショートアイアンで何度もミスした自分にあきれた」。その後はアイアンの精度を取り戻し、3バーディーを奪った。しかし、14、15番はいずれも2メートル強のチャンスを決めきれず、「あのあたりを決めていたら、まだチャンスはあった。修正しきれない自分の力のなさ」と唇をかんだ。
それでも昨年の5位に続く一桁順位。日本人選手としては初めて2年連続でトップ10入りを果たす快挙を成し遂げた。難しいコンディションでも優勝の可能性を感じさせる戦いを見せ、「みんなが苦労する状況で、この位置にいられたのはすごく自信になった」と振り返った。
松山を見守った青木功・日本ゴルフツアー機構会長(73)は「(4打落としてから)戻してきたのは、自信があるからだろう。この悔しさをずっと持っていればいつか勝つよ」と、世界の頂点がそう遠くないところにあることを強調した。
さらにメジャー9勝を誇り、同大会の名誉スターターも務めるゲーリー・プレーヤー(80)=南アフリカ=も「非常に才能のある選手。他の誰にも負けない、勝利へのパッション(情熱)を持ち続けること。そして、紳士的であることを心がければ、必ず成功を収めることができる」と太鼓判を押した。
「メジャー制覇が最大の目標」と公言する24歳。「自分の目指しているところに持っていければ。いいニュースを届けたい」と意欲はさらに増した。世界の頂点を見据えた挑戦は終わらない。