「デイリー主催・トップアマゴルフトーナメント・最終日」（１３日、高松ＣＣ＝パー７０）

　４打差の単独首位でスタートした植本健介（２８）＝阿南ＣＣ＝が３バーディー、１ボギー、１ダブルボギーの７０でまとめ、通算３アンダーで逃げ切り、大会初優勝を飾った。６７で回った黒川逸輝（１６）＝寒川高＝が２打差の２位に入り、さらに１打差の３位に小川貴大（４４）＝サンセットヒルズＣＣ＝が入った。

　必死で耐えて逃げ切った。４打差の首位でスタートしたが、心に余裕はなかった。「アプローチとパットで何とかしのいだ。よく我慢できたと思います」。優勝ジャケットに袖を通した植本は、安どの笑みを浮かべた。

　序盤からショットが乱調。１８ホール中、１２ホールでパーオンを逃した。１３番パー４では２打目をバンカーに入れてダブルボギー。後続との差が詰まったが、「逆に、開き直って攻めようと思った」という。通算２アンダーで迎えた１５番パー４で、９０ヤードの２打目をピンそば１メートルに寄せてバーディー奪取。残り３ホールをパーでまとめて勝利をつかんだ。

　昨年の日本アマでベスト８に入った実力者は、最近までパットの不調に悩んでいた。復調のきっかけは、テレビで見た前週のマスターズ。優勝争いを演じた松山英樹のパッティングスタイルをまねて「スタンスを肩幅以上に広げて打ってみた」ところ、「フォローが真っすぐに出るようになって転がりが安定した」という。この日は２４パット。グリーン上での自信がタイトル奪取につながった。

　昨年のベスト８進出により、今年も日本アマ（７月５～８日、北海道ブルックスＣＣ）に出場できる。２年連続の大舞台に向けてスイングも改造中。理想の形は、香川西高の１年後輩でツアープロの片岡大育だ。「力みがなくて、一定のリズムで打っている。日本アマまでに完成させたい」。じっくりと準備を進め、最高峰の戦いに挑む。