重永&永野、熊本への思いを支えに奮闘

 「男子ゴルフ・東建ホームメイトカップ・第3日」(16日、東建多度CC名古屋=パー71)

 熊本県出身で同い年の重永亜斗夢(27)=ホームテック=と永野竜太郎(27)=フリー=が、熊本地震で被災した地元への思いを支えに踏ん張った。重永は6バーディー、2ボギーの67をマーク。永野は4バーディー、2ボギーの69で回り、ともに通算7アンダーとして、近藤共弘とともに首位と4打差の2位。67で回った昨季賞金王の金庚泰(韓国)が首位を守った。

 故郷を再び襲った地震に、熊本出身の重永と永野の同学年2人が奮い立った。ともに帽子に喪章をつけ、重永は後半インで4バーディーを奪った。永野は最終18番でピン奥10メートルのバーディーパットを沈め、2位に並んだ。

 重永は16日未明に、熊本県菊陽町の自宅にいた和歌子夫人(26)から電話があった。「『やばい、すごい揺れている』と。子どもとおばあちゃんと車の中で寝たそうです」。阿蘇大橋の崩落には「いつも通っていた橋。衝撃だった」と苦しそうに振り返った。

 永野は、14日の地震で震度7を観測した熊本県益城町に中学まで住んでいた。16日未明の地震をテレビで見てあ然とし、すぐに重永に電話した。

 「今度は熊本市内もひどいことになっていた。重永に早く伝えたかった」。熊本市の実家マンションの玄関が開かなくなり、近隣の住民にバールでこじ開けてもらい、母と祖母は駐車場で一夜を明かしたという。2人はコースに着くと、永野から「喪章をつけていこう」と声をかけ、うなずき合ってスタートした。

 最終日は金庚泰を4打差で追いかける。地元の状況は心配だが、現時点では帰郷する交通手段もない。重永が「嫁からは『取りあえず頑張れ。義援金ができるくらいは稼げ』と言われている」と打ち明ければ、永野も「亜斗夢と一緒に全力を尽くしたい」と口元を引き締めた。熊本へ希望と勇気を-。悲壮な決意で最終ラウンドに挑む。

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