野村敏京 米ツアー2勝目!精神面成熟

 「米女子ゴルフ・スウィンギングスカート・クラシック・最終日」(24日、レークマセドGC=パー72)

 首位で出た野村敏京(23)=フリー=が5バーディー、6ボギーと耐えてリードを守り、73で回って通算9アンダーでツアー2勝目を挙げた。2月のISPSハンダ女子オーストラリア・オープンに続く勝利で、日本勢では12年の宮里藍以来となるシーズン複数優勝。横峯さくら(エプソン)は通算7オーバーの40位、宮里美香(NTTぷらら)とアマチュアの畑岡奈紗(茨城・ルネサンス高)は50位だった。

 スタート時3打あったリードが1打に縮まり迎えた12番。優位を失いかけていた野村が、20メートルほどもあるバーディーパットを強いタッチで沈めた。

 「ラインに乗って、近づいていくにつれて、入ったなと分かった」

 握りしめた両手の拳を何度も、何度も振った。後続との差を把握はしていなかったが「『私、勝つなあ』と思った」と、一打の重みは理解していた。

 15メートルを超える強風で、強豪が軒並みスコアを落とした。「緊張は全くしなかった」と話したものの、7番から3連続、11番でもボギーと急降下した。しかし、ピンチで踏ん張り、終盤は危なげなく逃げ切った。

 躍進の理由を「気持ちに波がなくなった」と精神面に求める。キャディーのマクディード氏も「どんなときも気持ちがフラット。あの強さはすごい」と絶賛する。粗削りだったプレーも、同時に成熟しつつある。今季、パーオンしたホールの平均パット数はツアー3位の1・74。10番ではグリーン奥のラフから斜面にぶつけて寄せるなど、磨く小技が勝負強さを支える。

 以前は母と一緒に転戦したが、今はときおり応援に来るだけ。「洗濯も食事も自分でやりますよ」と、23歳での独り立ちに胸を張る。リオデジャネイロ五輪の舞台には「出られたらうれしいけど、試合の一つ」と重きは置かず、明快に「次はメジャー勝利」と語る。目標へ、自信の深まる2度目の優勝だった。

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