片岡大育、10万円特注ウェッジで首位

 「男子ゴルフ・中日クラウンズ・第2日」(名古屋GC和合=パー70)

 7位から出た片岡大育(27)=Kochi黒潮CC=が強風の中、1バーディー、1ボギーの70でまとめ、通算4アンダーで単独トップに浮上した。

 風ニモマケズ、花粉症ニモマケズ-。土壇場まで、片岡はピンチというピンチをしのぎ続けた。悪条件に襲われながら動じず、「しぶとくできた。ほぼ100点に近い」と納得の表情を浮かべた。

 5番パー4、残り40ヤードの距離を残したバンカーからの3打目。高低差でピンは見えない。おまけに、「2段グリーンの下からですごく難しい。10回打って、2回成功したら最高」という難易度Eのリカバリーをきっちり2・5メートルに寄せた。

 14番パー4、17番パー3でもパーセーブ。強風でショットが乱れる中、周到に準備した「クラウンズ対策」が奏功した。開幕2日前、58度のウエッジのバウンス(ソールの膨らんだ部分)を削った。バウンスが大きいとダフりにくい半面、硬い地面や芝生が薄い局面ではソールがはじかれ、制御しにくい。「和合はグリーン周りのラフが難しい」と思い知らされた昨年大会の教訓を生かし、1本10万円の特注クラブを和合だけのために改造した。日光と風にさらされて硬く、速くなったグリーンで、スピンの効いた「小技」が際立った。

 最大瞬間風速は19メートル。スギ、ヒノキ、マツのアレルギーに苦しむ強度の花粉症患者である片岡にとって、くしゃみと鼻水が止まらず「最悪の状況でした」。救ってくれたのは、白いマスクだった。「いろんな薬を飲んだけど、マスクが一番効く。(好プレーは)マスクのおかげですね」。マスク跡が残った日焼け顔は、どこか誇らしげだった。

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