片岡V目前で痛恨ダボ POで力尽きる
「男子ゴルフ・中日クラウンズ・最終日」(1日、名古屋GC和合=パー70)
片岡大育(27)=Kochi黒潮CC=が勝利目前の17番パー3で痛恨のミスショットからダブルボギーをたたいた。通算10アンダーで並んだ金庚泰(29)=韓国=とのプレーオフでも1ホール目に敗れ、ツアー2勝目を逃した。金庚泰は国内開幕戦の東建ホームメイト杯に続き今季2勝目、ツアー通算12勝目を挙げた。
9番と15番で神懸かったようなチップインバーディー2発。片岡は必死に金庚泰に食らいつき、突き放した。残り2ホール、2打差のリード。頂上は見えた。だが、歓喜の前に悲劇が待っていた。
17番、池越えのパー3。7番アイアンで放った一打は左へ飛び出し、風にも乗って大きく曲がった。カート道を転がっていく球を見詰めたまま、片岡は動けなかった。懸命のリカバリーも実らず、痛恨のダブルボギー。「かなり良い流れでプレーできていたので、ミスが痛かった。17番も悪いイメージはなかったのに…」
プレーオフへ向かう片岡のエネルギーは、非情なドラマによって根こそぎ奪い取られていた。1ホール目、1メートルのパーパット。球はわずかに左へ外れ、あっけなく勝負は決した。「絶対に入ると思って打ったけど、全然(右へ)切れなかった。なんで…」
ホールアウト後、片岡は胸を張ってクラブハウスへ帰ってきた。必死に笑顔をつくった。しかし「悔しくて…」そう言葉を紡ごうとした直後、こらえきれず涙があふれた。拭いても拭いても、片岡のほほには悔し涙がとめどなく伝わった。