藤田「自分」大切に2季ぶりVへ4位
「男子ゴルフ・ツアー選手権森ビル杯・第3日」(4日、宍戸ヒルズCC=パー71)
11位から出た藤田寛之(46)=葛城GC=が4バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70で回り、通算1オーバーで首位と2打差の4位につけた。2季ぶりの優勝、国内3大大会初制覇を狙う。11年大会王者のJ・B・パクと朴相賢の韓国勢2人が通算1アンダーで首位に並び、1打差の3位に谷原秀人(37)=国際スポーツ振興協会=が続いた。
静かな男が右拳を握り締めた。平均ストローク4・924という最難関の17番パー4。藤田は右下から3メートルのパーパットをねじ込んだ。ピンチを脱し、小さくガッツポーズを見せた。1打目をラフに入れ、残り199ヤードの2打目は池越えのパーオンをあえて避け、刻んだ戦略が奏功した。「非常に大きかった。みなさんが思っているより、相当難しい。ああいうパットを1つでも決められるのは自信になる」
昨季は故障もあって勝てず、賞金ランクは31位に沈んだ。習慣だった居残り練習も嫌になり、スパッとやめたりもした。シーズン最多3勝を挙げた14年の姿に近づこうと、悩み、苦しんだ末、たどり着いたのは「結果が全てだけど、その前に自分のゴルフ。自分に負けずにいけるか」。あるがままの自分と向き合い、とことん貫くことで、2季ぶりの優勝、国内3大大会初制覇に手が届くところまできた。
「この雰囲気、プレッシャーの中で自分のゴルフができる。そこにいることが大事だと思う」。優勝戦線の重圧を幸せに感じながら、藤田が再び頂点を目指す。