優作ショット不調もメジャー予選初突破
「男子ゴルフ・全米オープン・第3日」(18日、オークモントCC=パー70)
第2ラウンドの残りと第3ラウンドが行われ、宮里優作(36)=フリー=は第3ラウンドを4バーディー、5ボギーの71で回り、通算3オーバーで暫定21位となった。宮里は第2ラウンドで69をマークし、14年全英オープンに続く2度目のメジャーで初の予選通過。日没のため25選手が競技を終了できず、通算5アンダーのシェーン・ローリー(アイルランド)が暫定トップ。第2ラウンドで崩れた池田勇太は通算11オーバーで予選落ち。松山英樹と谷口徹も決勝ラウンドに進めなかった。
起死回生のスーパーイーグルが、メジャーで奮闘する宮里優にエネルギーを与えてくれた。「良い方向に飛んでいったので、しっかり止まってほしかった。まさか入るとは思わなかった」
第2ラウンド折り返しの18番パー4。右セミラフから残り188ヤードの2打目。6番アイアンで放った球はピン左手前でバウンド後、ゆっくりと転がり、カップに吸い込まれた。大歓声を聞き、宮里は刀に見立てたアイアンを鞘(さや)に収め、リズミカルに腰を振り、バックステップを踏んだ。心酔するヒメネス(スペイン)のパフォーマンスで目の肥えた観衆を沸かせ、勢いづいた。
ただ、ビッグプレーの裏側で、ショットがまるで制御できず、苦しんだ。第2ラウンドはフェアウエーキープ率28・6%、パーオン率38・9%と絶不調。でも、「粘って粘って、粘ろうと思っていた」。合計パット数は24。グリーン上で仁王立ちだった。
休憩もそこそこに迎えた第3ラウンドは、ショットを微調整してスコアメークした。「ここのテイストに自然に合わせられている」とメジャーの重圧、緊張感も力に代え、4バーディーを奪い、上位の背中が見える位置で踏ん張った。
19日の最終日は36歳の誕生日。「欲を出せば切りがない。目の前の一打でいっぱいいっぱい」と言いつつも、笑みが絶えない。メジャーでトップ10入り-。最高のバースデープレゼントを、自身で奪いにいく。