新婚・遼5カ月ぶりメロメロ復帰 試合勘不足で114位

 「男子ゴルフ・日本プロ選手権日清カップ・第1日」(7日、北海道クラシックGC=パー72)

 腰痛から5カ月ぶりの復帰戦となった石川遼(24)=CASIO=は1バーディー、6ボギーの77と乱れ、首位と13打差の114位と出遅れた。試合勘が乏しい影響でショット、パットともに精度を欠き、日本ツアーでは3年ぶりの3ケタ発進となった。ツアー通算6勝の武藤俊憲(38)=フリー=が9バーディー、1ボギーのコースレコードとなる64で首位に立ち、3打差の2位に宋永漢(韓国)が続いた。

 メロメロだった。石川は何度も首をひねり、何度もため息をついた。ショットが乱れ、まさかのミスパットにはギャラリーから悲鳴が上がった。「結構、苦しかった。全然リズムに乗れなかった」。見せ場は前半13番で奪ったチップインバーディーのみ。ほろ苦い復帰初日に、その顔からは笑みが消えた。

 ティーショットが制御不能だった。インスタートの11番は右ラフ、12番は左ラフに入れ、連続ボギーをたたいた。15番では左の林に打ち込み、4、7番でも球は無情にも右の林へ向かった。広いコースなのに、フェアウエーキープ率は57・14%(125位)と低調。加えて、アイアンショットがピンに絡まず、「飛んだり、飛ばなかったりというのがほとんど。10ヤードくらいずれるショットが多かった」。命綱とも言える縦の距離感を最後まで失ったままだった。

 パッティングも絶不調だった。16番パー5で1メートルのバーディーチャンスにつけながら、よもやの3パット。カップに蹴られ、折り返しの80センチも外すと、天を仰いだ。「パターのフェースがどこに向いているのか分からず、思ったところに打てなかった」。腰痛の影響で2月に離脱。3月に結婚し、この日が結婚後、初実戦でもあったが、約5カ月に及んだ長期離脱の影響は想定以上に大きかった。

 それでも、石川は努めて前向きだった。腰に痛みは出ず、「スコア以上に安堵(あんど)した。体に関してはいい方に向かっている」。腰に負担を掛けない新スイングについても「納得のいくショットはできた。手応えはある」と気持ちはなえていない。「第2ラウンドはチャンスにつけて、いくつ決めるかになると思う」。完全復活への旅は、まだ始まったばかりだ。

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