大堀、7打差から逆転V狙う 本田圭佑とのミラノ合宿でプロ魂授かる
「男子ゴルフ・ダンロップ・スリクソン福島オープン・第3日」(23日、グランディ那須白河GC=パー72)
19位で出たプロ3年目の大堀裕次郎(24)=フリー=が8バーディー、ボギーなしの64で回り、通算14アンダーで首位と7打差の5位に浮上した。同じ所属事務所のサッカー日本代表FW本田圭佑(ACミラン)のゲキを胸にたくましさをまとい、優勝戦線に飛び込んできた。
大堀はいきなりアクセルを踏み、1、2番で連続バーディーを奪った。いつもなら守りに入るところで、「びびらずもっと攻めていこう」と緩めるどころか、さらにアクセルを強く踏み込んだ。
7番。2段グリーンの下から10メートルのロングパットをねじ込み、「あれで勢いづいた」。そこから自己最多の5連続バーディー奪取。ギャラリーを沸かせ、優勝戦線に割って入った。大堀は「やっと自分の力でツアーに出られるようになって、楽しい」と頰を緩めた。
昨季、主戦場の下部ツアーで1勝を挙げながらも、獲得賞金は約345万円。「しんどかった。これじゃ、食っていけない」。何度も折れそうになる心を奮い立たせてくれたのが、本田圭佑の叱咤(しった)だった。
昨季開幕前、大堀はイタリア・ミラノへ渡り、10日間、本田と一緒にトレーニングした。「もっとひたむきに努力しろ」「どんなに小さなことでもいいから積み上げていけ」。未熟さを指摘され、心構えをたたき込まれた。それ以上にプロとしての向上心を刺激された。
筋力、体幹トレに励み、「太るために肉も食べ続けた」。体重はプロ転向時から12キロ増の80キロとなり、努力で培った安定したスイングが飛躍の要因となっていた。
「明日も、びびらずに攻めていく」と大堀。首位と7打差も、決して奇跡をうたう差ではない。