鈴木愛5打差逆転で今季2勝目 有言実行V「日本人が勝たないと」
「女子ゴルフ・日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯・最終日」(11日、登別CC=パー72)
トップと5打差の10位から出た鈴木愛(22)=セールスフォース=が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算1オーバーで2年ぶり2度目の大会制覇を果たした。今季2勝目でツアー通算3勝目。8月から北海道開催3大会で惜敗を続けており“4度目の正直V”となった。1打差の2位は大山志保(39)=大和ハウス工業=と下川めぐみ(33)=環境ステーション。
この1カ月間、北海道で悔し涙を何度も流してきた。だからもう、うれし涙、笑顔しか残っていなかった。8月のmeijiカップ(3位)、2週前のニトリレディース(4位)、そして前週のゴルフ5レディース(6位)といずれも惜敗してきた鈴木が、今年最後の北海道で一番大きな勝利をつかんだ。
トップとの5打差を追いかけてスタートした。2番でラフを渡り歩いてボギーが先行したが、3番で7メートルのバーディーパットを沈めてスコアを戻すと、6番で5メートル、10番で3・5メートルを決め、じわじわとV戦線に浮上する。
そして首位タイで迎えた最終18番。残り140ヤードを9番アイアンでピン右4・5メートルにつけると、このバーディーパットを沈めて混戦を抜け出した。「誰よりも練習してきたことが(18番で)生きた」。何度も右手を突き上げて喜んだ。
ニトリレディースでは首位タイで臨んだ最終日に逆転されて泣いた。ゴルフ5レディースも同じく首位タイから出た最終日にショートパットに苦しみ、試合後は人けのなくなった会場で1時間半の居残り練習を敢行した。人一倍、負けず嫌いの性格が、2年ぶり2度目の国内メジャータイトルにつながった。
2年前に自らが勝って以降、国内メジャー大会で続いていた海外勢の優勝を止めると大会前に宣言していた。「日本のメジャー大会なので、日本人が勝たないと。阻止できてうれしい」と有言実行の勝利に胸を張った。
次の目標は11月の日米両ツアー共催試合、TOTOジャパンクラシック。優勝すれば来季の米ツアー出場権が手に入る。「女子プロ日本一」の称号を引っさげて強豪ひしめく世界の舞台を目指す。