松山2位に3打差圧巻の国内メジャー初制覇「この優勝は通過点」
「男子ゴルフ・日本オープン・最終日」(16日、狭山GC=パー70)
単独首位で出た松山英樹(24)=LEXUS=が5バーディー、4ボギーの69で回り、通算5アンダーで国内メジャー初優勝を果たした。2位に3打差をつける圧勝で、国内ツアーは14年のダンロップ・フェニックス以来の7勝目。今年は2月に米ツアーのフェニックス・オープンで優勝しており、自身2回目となる同一年での日米ツアー優勝も達成した。3打差の2位に池田勇太(日清食品)と李京勲(韓国)が入った。
18番グリーンで1・2メートルのウイニングパットを打つ直前に、コース近くから花火の音が聞こえてきた。松山は苦笑いで仕切り直したが、あろうことか、これをカップ左に外した。返しを入れて優勝を決めたものの、向上心旺盛な24歳はすぐに課題を口にした。
「最後のパットを決められないと、海外のメジャーでは絶対勝てない。しっかり決められるように練習していきたい」
不満の残るエンディングだったが、異次元の強さを見せつけた。東北福祉大の先輩・池田に1打差をつけて、最終組でスタート。1番でバーディーを奪った池田に並ばれたが、2番パー3で第1打を2・5メートルにつけてバーディーを奪い返し、流れを手放さない。551ヤードの9番パー5では、米ツアーで磨いた地力を見せた。残り232ヤードの第2打を3Iで2オン成功。2パットのバーディーでスコアを伸ばした。
勝負を決めたのは16番パー3。手前10メートルのバーディーパットをジャストタッチで沈め、右の拳を力強く突き上げるしぐさで喜びを表現した。「今日はパットがあまりよくなかったけど、16番の大事なところでバーディーパットが決まってくれたのが大きかった」と振り返った。
連日、大ギャラリーを引き連れてのラウンドで、この日もトータル数は1万4417人に達した。「自分がホームでやっている感じが実感できて楽しかった。あれだけ応援されたら、ふがいないプレーはできない。コースが人で埋め尽くされているのを見て、海外メジャーよりすごいと思った」。大声援を力に変えた。
プロ転向後、初出場の日本オープンで自身初の日本タイトルを奪い、次なる目標は悲願のマスターズ制覇をはじめ、海外メジャータイトル奪取。「この優勝は通過点。最後のパットを決められるように練習して、海外メジャーで勝てるようにやっていきたい」。勝利の余韻に浸るのもそこそこに、怪物がすぐに前を向いて歩き出した。