稲森 抜群のフェアウエーキープ率を武器に念願のツアー初V王手
「男子ゴルフ・平和PGM選手権・第3日」(5日、千葉県総武CC総武=パー70)
プロ6年目の稲森佑貴(22)=グリーンゴルフ練習場=が4バーディー、ボギーなしの66で回り、賞金ランク2位の谷原秀人(37)=国際スポーツ振興協会=とともに通算12アンダーで首位を守った。賞金王争いのマッチレースに割って入り、念願のツアー初勝利に王手をかけた。賞金ランク1位の池田勇太(30)=日清食品=は70と伸ばせず、4打差の3位に後退した。
賞金王を争う谷原、池田勇に挟まれても、「意外と落ち着いていた。程よく緊張はしていたけど、楽しんでやっていた」と振り返った22歳。稲森が悲願の頂点に手をかけた。
10番パー4(499ヤード)、フェアウエーから残り237ヤードの2打目。3番ウッドを強振した。球はグリーン右脇のラフで跳ね、ピン左1・5メートルに寄った。ギャラリーを沸かせ、完全に勢いづいた。
12番は5メートル、14番では2メートルのバーディーパットを難なく沈めた。好スコアの仕上げはパットだったが、演出したのは安定感抜群のティーショットだ。
ドライビングディスタンスは64選手中、57位の255ヤード。だからこそ、「ぼくのゴルフ人生を支えていくもの」として、その精度に人一倍、執着する。
フェアウエーキープ率が部門別記録に設けられた01年以降、シーズン平均70%超をマークしたのは05年の井戸木鴻樹(70・32%)1人。前戦まで稲森は同70・64%と上回っており、好調の裏でひそかに打ち立てた「井戸木超え」も見えている。
首位で迎える最終日は初めて。「フェアウエーを真っすぐ捉えることが第一優先」。生命線の第1打。その先に、夢にまで見た初優勝がある。