イ・ボミ2年連続賞金女王 26位での確定にスマイル控えめ「もっと上で…」
「女子ゴルフ・大王製紙エリエールレディース・最終日」(20日、エリエールGC松山)
イ・ボミ(28)=韓国=が1試合を残して2年連続となる賞金女王を確定させた。残り2試合で連勝すれば逆転の可能性もあった賞金ランク2位の申ジエ、同3位の笠りつ子がいずれも優勝を逃したことによる。首位から出たテレサ・ルー(29)=台湾=が68で回り、72ホール最少スコア記録を3打更新する通算24アンダーで比嘉真美子を1打差で振り切って今季3勝目、通算12勝目を挙げた。
スマイル爆発、というまではいかなかった。イ・ボミは26位フィニッシュ。「もうちょっと上で決められたら、もっとうれしかった」というのが一つ。
ここで賞金女王を確定させるためには、申ジエ、笠りつ子がともに優勝を逃すことというのが条件だった。だが、イ・ボミが600万円以上(3位タイ2人まで)を稼げば、自力で決めることもできた。そこが少し、複雑だった。
もう一つは、喜びと同時に早くも感じ始めたプレッシャーだ。2年連続に挑んだ今季も、優勝しないというだけでがっかりするような声も本人に届いた。そうした重圧が、体の重さにもつながった。
9月末ごろには「本当に疲れていた。練習しなくてもダメ。しても疲れてダメ」と疲労がピークに達し、日本女子オープンを棄権した。その苦しさは一つのトラウマともなっており、3年連続女王に挑む身としては「アンちゃん(ソンジュ、10、11年賞金女王)も言ってたけど、3年目はもっとしんどいのかな」と早くもそちらが心配でならないのだ。
一方で、技術は上がっている。その一つがアプローチだ。パーオンしなかったホールでパー以上のスコアで上がるリカバリー率が、昨年の約66・5%から今季は約73・5%と大幅に成長。イ・ボミも「アプローチの練習は楽しい」と、練習がスコアに直結する手応えを感じている。
前日37位で最終日はインスタートだったが「たくさんのギャラリーにびっくり。幸せ。何でかな~と思います。皆さんの顔を見て、笑って、呼吸を感じると力になるんです」とも。今年以上の声援の後押しで、3年連続女王の重圧は吹っ飛ぶに違いない。