池田勇太 日本の意地見せた!左肩痛に耐えケプカ猛追2位 賞金ランク1位返り咲き

 「男子ゴルフ・ダンロップフェニックス・最終日」(20日、フェニックスCC=パー71)

 5打差の3位で出た池田勇太(30)=日清食品=が怒濤(どとう)のチャージで迫りながら、あと一歩届かなかった。11バーディー、1ボギーの大会記録に並ぶ61で回り、首位と1打差の通算20アンダーで今季5度目の2位。2試合ぶりに賞金ランキング1位に返り咲いた。日本ツアー初参戦のブルックス・ケプカ(米国)が65で回り、大会新記録の通算21アンダーで初優勝を飾った。

 勝ったのはケプカだったが、最終日のヒーローは間違いなく池田だった。5打差を追い、捉えた。死力を尽くした“敗者”はすがすがしく笑い、どこか誇らしげだった。

 「見せつけたでしょ?日本人の意地を。これ以上はちょっと無理。負ければ普通は忘れられるけど、印象的な負け方で2、3日は頭に残るでしょ。良い戦いをしたんだから」

 前半9ホールで5バーディーを奪っても、5打差は詰まらない。ただ、池田はあきらめるどころか、さらに加速した。15番では5メートルの難しいスライスラインをねじ込み、ついに追い付いた。開幕前に痛めた左肩も「最後は痛みも忘れるくらい気合が入っていた」。流れ、勢いは明らかに池田にあった。

 だが、勝敗の分岐点は17番パー3だった。池田は1打目をピン左1・5メートルにつけた。絶好機と思った直後、ケプカはピンそば1メートルに寄せた。プレッシャーをかけたはずが、逆に重圧を感じていた。「思ったところに打てた」というバーディーパットは、わずかに右へ外れた。責められるワンプレーではないが、やはり痛恨だった。

 1打差の惜敗。敗れはしても、詰め掛けた観衆を池田が沸かせた。「大会が盛り上がったから、それでいいんじゃないの」。素っ気ない言葉は、決して負け惜しみではなかった。

 コースレコードタイの61、大会新記録の11バーディー。賞金ランキングは2戦ぶりに1位に返り咲き、世界ランキングは来年のマスターズ出場圏内の40位前後まで浮上する見通し。この2位の意味は、池田にとって決して小さくはない。

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