松山が今年も激闘4ホール目決着で連覇「チャンスは必ず来る」
「米男子ゴルフ・フェニックス・オープン最終日」(5日、TPCスコッツデール=パー71)
首位と4打差の3位で出た松山英樹(LEXUS)が1イーグル、3バーディー、ボギーなしの66で通算17アンダーと伸ばし首位でホールアウト。ウェブ・シンプソン(米国)とのプレーオフを4ホール目に制し、昨年に続く大会連覇を果たした。
昨年はリッキー・ファウラー(米国)と4ホールに及ぶプレーオフを制したが、今年も同様に4ホールの激闘の末に決着がついた。シンプソンとのプレーオフの詳細は次の通り。
★1ホール目(18番パー4)
先にシンプソンが第1打を3Wでフェアウエーに運ぶと、松山は1Wで310ヤード飛ばしてフェアーウエーをとらえた。第2打はシンプソンが先にピン上5メートルにつけると、松山は左上6メートルに乗せた。松山のバーディーパットはカップ左を抜け、シンプソンのパットもカップ前に止まってともにパーとした。
★2ホール目(18番パー4)
第1打はシンプソンが3Wでフェアウエーをキープ。松山は1Wのショットがフェアウエー右のバンカーに入った。第2打でシンプソンはピン左上5メートルに乗せたが、松山のショットはバンカー内あごの近くからグリーン前へ運び、第3打のアプローチでピン左80センチにつけた。シンプソンのバーディーパットはわずかにカップ左へ外れ、松山は落ち着いてパーパットを沈めた。
★3ホール目(10番パー4)
第1打でシンプソンが右バンカーに入れると、松山も右のバンカーにつかまった。第2打はシンプソンがピン上6メートルに、松山は残り108ヤードをピン右上10メートルに乗せた。バーディーパットは先に松山がカップ右1メートルへ。シンプソンはラインに乗ったボールがカップ縁に止まり、少し待った後にタップイン。松山は慎重にパーパットを沈めた。
★4ホール目(距離の短い17番パー4)
第1打はシンプソンが1Wでグリーン右カラーへ。松山は3Wでグリーン前へ運んだ。第2打は先に松山がアプローチでピン手前2・5メートルに寄せた。シンプソンはピンまでのラインにバンカーがかかるため、パターで手前7メートルに。シンプソンのバーディーパットはわずかにカップ右を抜けパー。松山はしっかりと沈めてガッツポーズを見せた。
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松山は昨年10月のHSBC選手権に続く米ツアー今季2勝目、男子の日本選手では丸山茂樹を抜き、単独トップとなる通算4勝目。同ツアーでの同一大会複数回優勝も日本男子では初となった。女子では宮里藍がエビアン・マスターズ(09年、11年)で記録している。
今回の優勝でシーズン王者を決める年間(フェデックス)ポイントでも、ジャスティン・トーマス(米国)を抜き返し、再び1位に浮上した松山はグリーン上の現地インタビューに、「プレーオフでも苦しかったが、勝つことができてうれしいなと思う。チャンスが必ず来ると思ってずっと待っていた。(年間1位に再浮上)このまま続くように頑張りたい」と答えた。
一方、2012年の全米オープン覇者で、この日の最終ラウンドで64をマークし、松山とのプレーオフに持ち込んだシンプソンは、「ヒデキ(松山)は本当に素晴らしいプレーヤーで、プレーオフでは素晴らしい戦いができた。(決着のついた)17番は本戦では第1打がショートして結果的には良かったが、プレーオフでは当たりは良かったが(第2打は)あの位置からはピンを狙えなかった。(優勝争いは)去年のコロニアル以来で、来週がまた楽しみになった」と男児を抱きかかえながら、さわやかな表情で熱戦を振り返っていた。