松山 日本勢単独最多の米ツアー4勝目 4打差逆転で大会連覇 メジャー初Vに光

 「米男子ゴルフ・フェニックスオープン・最終日」(5日、TPCスコッツデール=パー71)

 4打差の3位からスタートした松山英樹(24)=LEXUS=が、通算17アンダーで並んだ12年全米オープン覇者のウェブ・シンプソン(31)=米国=とのプレーオフを4ホール目で制し、米ツアーの日本勢で単独最多となる通算4勝目を飾った。昨年10月末のHSBCチャンピオンズ以来の今季2勝目で、1シーズン複数勝利、大会連覇とも日本勢初。今季賞金ランクは1位を奪回した。

 プレーオフ4ホール目。昨年、勝負が決まったのと同じ17番パー4で、松山のマネジメント力が勝った。3番ウッドでグリーン手前に運び、残り45ヤードをピン下3メートルへ。ボール1個分以上曲がるスライスラインを真ん中から沈め、右手で拳を振り上げた。

 丸山茂樹を抜く日本勢単独最多の通算4勝目。「日本で(史上)一番の選手かと言われると、僕はまだそう思わない」。もっとも、地元のギャラリーたちは「ヒデキ!!ヒデキ!!」を連呼。「応援が昨年は99(米国人選手)-1(松山)だったのが、10%くらいに増えたんじゃないかな?」と照れ笑いした。

 首位と4打差からスタート。3番パー5でイーグルを決めてから危なげないプレーを展開した。トップにいた安秉勲(韓国)が自滅したこともあり、W・シンプソンに並んだ。

 米ツアーでのプレーオフはここまで2戦負けなし。もっとも、今回は「体力的に、やりたくなかった。早めに決めないと多分負けるだろうと思っていた」-。今週はずっと首筋に違和感もあった。

 プレーオフ最初の1ホール目は、ともに2オン2パット。2ホール目は相手が2オンしたのに対し、バンカーからの第2打がショートしてグリーンに乗らなかった。3ホール目、松山は2打目をグリーン奥にこぼし、なんとか60センチに寄せてパーセーブ。綱渡りで優勝につないだ。

 今季の獲得賞金は436万8498ドル(約4億8927万円)で、すでに昨季を超えた。賞金、ポイント争いの首位だったジャスティン・トーマス(米国)が今週予選落ちしたため、いずれもトップに返り咲いた。

 だが、松山にとってそのことに大きな意味はない。「オーガスタに行ったら、全然だめなところがたくさん見えてくる。プレーオフ4ホールやったくらいでへばっているようじゃ、話にならない」。目線はあくまで日本人初のメジャー制覇。マスターズは2カ月後に迫っている。

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