【舩越園子の目】シンデレラボーイ谷原の計画性
「米男子ゴルフ世界選手権シリーズ、デル・マッチプレー・最終日」(26日、オースティンCC)
準決勝で世界一のダスティン・ジョンソンに敗れた谷原秀人は、ビル・ハースとの3位決定戦の7番でホールインワンを達成。「(準決勝ではなく)ここで入るかという感じで笑いました。でも声援が気持ち良かった」。
当たり前の話だが、ホールインワンは計画して達成できるものではない。いわば降って沸いた幸運だ。突然、降ってくるものは概して刹那的。そのぶん手ごたえが消えるのも早いようで谷原も「すぐに忘れちゃいました」。
今大会で4位になった谷原の世界ランキングは50位以内に上がり、目指してきたマスターズ出場を確実にした。そんな谷原を米メディアは「シンデレラボーイ」と表していたが、それは降って沸いた幸運に見えるようで、決してそうではない。「去年(マスターズ出場者に)入れなかった時点から試合出場などをいろいろ組み立て、この大会も世界ランキング64位を外れると出られないから、そこも考え、計画を立てながらやってきた」。
努力と工夫をコツコツ重ね、歩んできたその先に今大会ベスト4があり、オーガスタへの切符があった。それは谷原が時間をかけてつかみ取ったもの。シンデレラのガラスの靴では決してない。
(在米ゴルフジャーナリスト)