【舩越園子の目】脱唯我独尊のガルシア、初メジャー制覇なるか
「米男子ゴルフ・マスターズ・第3日」(8日、オーガスタ・ナショナルGC=パー72)
メジャーに何度も勝ちかけては惜敗してきたセルジオ・ガルシアが、初めてマスターズ最終日を最終組で迎えることになった。
1999年に19歳でプロ転向。その年の全米プロでいきなりウッズと一騎打ち。惜敗したもののメジャー優勝は近いと持て囃された。
あれから18年。メジャー優勝はいまだにない。2007年の全英オープンでは3日間、首位を独走しながらプレーオフで敗れた。
あのプレーオフを一緒に眺めていた米国人記者に「三日天下」という日本語があるという話をしたら、その記者は「3Day King」という見出しでガルシアの敗北をコミカルに描いた。手厳しい英国人記者は「ナイスガイが勝つ」という見出しを付け、負けたガルシアはナイスガイではないという意味を強調。唯我独尊だった当時のガルシアはメディアから疎まれ、ファンも離れていった。
だが、今のガルシアは違う。彼自身「いろんなことが変わった。僕は穏やかになった。物事を受け入れるのもゴルフの一部だと思えるよう努力している」。
今年の夏には結婚予定。人間的に成長したガルシアが明日、マスターズを制し、メジャーチャンプになったら、私は「ナイスガイが勝った」と書こうと思う。
(在米ゴルフジャーナリスト)