「米男子ゴルフ・マスターズ・第３日」（８日、オーガスタ・ナショナルＧＣ＝パー７２）

　１６位で出た松山英樹（２５）＝ＬＥＸＵＳ＝は１イーグル、１バーディー、３ボギー、１ダブルボギーの７４とスコアを落とし、通算４オーバーの２８位に後退。優勝争いから脱落し、敗北を宣言した。通算６アンダーでジャスティン・ローズ（英国）とセルヒオ・ガルシア（スペイン）が首位に立った。

　松山が白旗を揚げた。悲願のマスターズ制覇を見据え、臨んだ勝負のムービングサタデー。意欲とは逆にスコアを２つ落とす結果となり、首位との差は「１０」に広がった。

　「最低でもアンダーパーにしたかったけど、できなかったので。チャンスはないです」

　最終日を前に、事実上の敗北を口にした。

　前日に復調の兆しを見せたパットが、またも不調の底に沈んだ。前半は「状態がなかなか上がってこないのが、そのまま出てしまった」とノーバーディー、３ボギーに終わったが、後半に入ると世界基準のショット力を発揮。毎ホールでチャンスを作り出したものの、これを決めることができない。

　１０番では１・５メートルを沈め、初バーディーを奪ったが、その後が続かない。１１番で６メートル、１２番で３メートルを入れられず、１３番パー５では２オンから３パット。１４番でも３メートルがカップに入らない。

　それでも１５番パー５では右の松林から池越えの残り２１０ヤードをピン左２・５メートルに２オンしてイーグルを奪取。これで流れが変わるかと思われたが、１６番で４・５メートル、１７番では３メートルを外してしまう。

　極めつけは最終１８番。１メートルを２度外して４パットを喫し、よもやのダブルボギーフィニッシュ。耐えてきたものが一気に崩れ落ちた。ラウンド後の心境を「何もない」と吐き捨て、好調だったショットの手応えも「最後にかき消された」と表情を険しくした。スコアに対するパットの貢献度を示すストロークス・ゲインド・パッティングは、５３選手中最下位のマイナス３・６４２。数字がこの日のすべてを物語った。

　３年連続のトップ１０入りに向けても、９位まで５打差と厳しい状況。今後の戦いにつなげるためにも、何とか意地を見せて終わりたい。