樋口久子相談役 引退表明した宮里藍を気遣う「燃え尽きたのかも」
宮里藍(31)=サントリー=が26日、今季限りで引退することを表明。日本勢で唯一世界ランキング1位となった経験を持つ第一人者の電撃引退に、ゴルフ界には大きな衝撃が走った。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の樋口久子相談役(71)は「燃え尽きたのかもしれない」と、10代から日本女子ゴルフの“顔”として戦い続けた宮里を思いやった。
「宮里藍選手引退」のニュースに、国内の女子ゴルフ界は驚きに包まれた。31歳の本人は決断の理由を明らかにしていないが、LPGAの樋口相談役は「燃え尽きたのかもしれない」と気遣った。関係者からは女子ツアーを盛り上げた「藍ちゃん」に感謝する声も多く聞かれた。
女子ツアーのリゾートトラスト・レディースが行われた奈良県山添村で取材に応じた樋口さんは「突然でびっくり。でも惜しいですね」と残念がった。樋口さんがLPGAの会長だった03年に宮里がアマでツアー優勝を果たし、プロに。「彼女が出てきたころから(試合中継の)視聴率が上がったり、選手が週刊誌に取り上げられたり、女子ゴルフがフォローの風に乗った。彼女に憧れてゴルフを始めた子もいるでしょうし、本当にすごい功績を残してくれた」と話した。
13年賞金女王の森田理香子は「(宮里)藍さんと(横峯)さくらさんがいたから、今これだけ試合がある」と言う。賞金シードを失った自身と宮里の最近の苦闘を重ね「藍さんはつらかったと思う。でも成績が出なくても、存在だけで価値があるから引退しないでほしかった」としみじみ語った。
上田桃子選手ら米ツアーに参戦した選手たちは既に引退の意思を伝えられていたという。LPGAの小林浩美会長は「まず心身ともにゴルフから自分を解放してください。この先、またたくさんの可能性が開かれると思う」と、書面でねぎらいのコメントを出した。