【宮里藍一問一答2】「これ以上ないゴルフ人生だった」
女子ゴルフの宮里藍(31)=サントリー=が29日、都内で引退表明会見に出席した。03年にアマチュアとして国内ツアーの大会で優勝したことをきっかけにプロに転じたが、そこからの14年あまりを「自分としてはこれ以上ないゴルフ人生だった」と振り返った。以下、一問一答要旨のその2。
◇ ◇
-03年に優勝してプロ宣言してから14年。
「本当に思っていた以上の結果というか…。自分としてはこれ以上ないゴルフ人生だったと思っているので、競技者としても引退を表明してから、自分が終えるという引き際の寂しさよりも、こんだけたくさんの方にサポートしていただけて感謝の気持ちを胸に、今シーズンを戦えるのは選手としてすごく幸せなことなので。今の気持ちの表れが14年間自分にとって幸せな時間だったかをかみしめているところですね」
-仲間からは。
「お疲れさまと声をかけていただいて。後輩からも寂しいという言葉もあったりしたんですけども。率直に後輩も私の先輩も友人、家族もそうですけど、みんな決めたことを支持してくれたというか、温かく受け入れてくれたので、私にとってはありがたかったです」
-両親には。
「昨シーズンのエビアン・マスターズを終えて、2人には話したんですけど、本当に驚きもなく、温かく受け入れてくれたので、『幸せな道を行きなさい』と言ってくれたことはうれしかったですし、兄2人も同じような形で受け入れてくれたので、それはすごくうれしかったです」
-今季の試合は。
「今のところ決めていないのが現状で、1試合1試合、丁寧にプレーをして、早く勝ちたいというところに目標を置いているので。最後の試合が確実にこれ、とは決めていないのが現状です。アメリカツアーに戻って、メジャーは全部出たいなと思っているので、エビアン・マスターズまではアメリカツアーにしっかり出るつもりでいます」
-日本では。
「できるだけプレーできるチャンスがあればしたいと思っているんですけど、サントリーレディースが最後というか、取りあえずそこで一区切りを置いて、エビアンまで戦ってみてあとはどうかなという流れでいきたいです」
-優勝が目標になる。
「そうです」
-第二の人生について。
「そこも具体的には決まっていないのが現状なんですけど、そこのはざまでも悩んだところというか。次、自分がどういう風にしていきたいか確約がないと引退はできないと思っていて、逆に一度現役の視点を外れてこないと次自分が何ができるか可能性の広がりも違ってくるんじゃないかと思えた。年内は自分の今あるエネルギーを今シーズンの残りの試合に注いで、それからゆっくりして自分に何ができるか考えたいと思います」
-結婚は。
「それは、今のところはないですね。すいません(笑)」
-子どもにゴルフは勧めるか。
「そうですね…。こういう(家族)環境なので、まったくゴルフをさせないことにはならないと思うんですけど、一緒に遊ぶような感じならやってみたいなと思います」
-これからを支える若手への思いは。
「本当に数少ないチャンスではありましたけど、何人かひと回りぐらい違う若い選手と日本の試合でまわる機会が何度もありまして。ゴルフがうまい選手が多いというか、技術的にもフィジカル的にも恵まれている選手もたくさんいて。すごくこれからが楽しみだなという選手がまわりにもいっぱいいた。刺激をもらっていましたし、アメリカツアーをやっていて、日本女子ゴルフ界はいいところにあると思うので、客観的に見られている分、危機感もあるというか」
「これが永遠に続くわけではないので、若い選手にはプロ意識をもって、支えてくださる方に感謝の気持ちがあればずっと続いていくんじゃないかなと個人的には思っている。できているんですけど、年齢を重ねるごとに難しくなることも多々あると思います。そこの軸をぶれずにやってもらえたらと思っています」
-藍ちゃんと呼ばれていたころからメディア、スポンサーと向き合ってくれた。
「そこまで深く自分の中で意識したことではなかったんですが、常々、父からプロゴルファーである前に普通の人でありなさいと言われていた。自分なりに皆さんには誠意をお伝えしてきたつもりですし、それが良かったとしたら、父の教えが良かったんだと思います」
-ゴルフとは。
「人生において大切なものだと思います。プロになって14年。本当に内容の濃い時間を過ごしてきましたし、ゴルフを通じてたくさんの人とつながれて、知り合って、自分の人生が豊かになったのでゴルフに対しては感謝の気持ちでいっぱいです」