みんなが愛した藍ちゃんの人柄 「ゴルファーである前に普通の人」守った父の教え
今季限りでの現役引退を表明した女子ゴルフの元世界ランク1位で米ツアー9勝、国内ツアー15勝の宮里藍(31)=サントリー=が29日、都内で引退表明会見に臨んだ。最後に涙はあったものの、終始明るく和やかな、みんなから愛された宮里の人柄が象徴されたような会見となった。
会見では「藍ちゃんと呼ばれていたころからメディア、スポンサーと向き合ってくれた」と質問がとんだ。
「そこまで深く自分の中で意識したことではなかったんですが、常々、父から『プロゴルファーである前に普通の人』でありなさいと言われていた。自分なりに皆さんには誠意をお伝えしてきたつもり。それが良かったとしたら、父の教えが良かったんだと思います」と、笑顔で答えた。
藍ちゃん人気が火付け役となり、国内の女子ツアーは試合数も増加した。今後の日本のゴルフを支える後輩たちには「米国ツアーをやっていて、日本女子ゴルフ界はいいところにある。ただ、客観的に見られている分、危機感もある。これが永遠に続くわけではないので、若い選手にはプロ意識をもって、支えてくださる方に感謝の気持ちがあればずっと続いていくんじゃないかなと個人的には思っている。できているんですけど、年齢を重ねるごとに難しくなることも多々あると思います。そこの軸をぶれずにやってもらえたらと思っています」と、エールを送った。
会見を見守った父優さんは「ゴルファーだから偉いのではないですから。1人1人に人格者として接することが大事。ゴルフは人格を高める道具にすぎない」と、改めて語った。この日の会見についても「心配していましたが、娘ながら、よく落ち着いてやっていた。プロになりたての頃は、質問の受け答えも指導していたけど、今日は『自然体で自分の言葉で話しなさい』とだけ言いました。非常に冷静な対応ができていたと思います」と、笑顔を浮かべた。