藍「最終ホールで泣きたくないな」 33位で“国内ラストラウンド”へ
「女子ゴルフ・サントリーレディース・第3日」(10日、六甲国際GC=パー72)
今季限りでの引退を表明している宮里藍(31)=サントリー=は2バーディー、1ボギーの71で回り、通算1アンダーの33位で最終日を迎えることになった。また宮里に憧れてプロになった堀琴音(21)=東芝=が9バーディー、1ボギーの64をマークし通算11アンダー、首位と3打差の2位まで順位を上げ、プロ初優勝を射程に捉えた。14アンダーのキム・ハヌル(韓国)が首位に立った。
さまざまな思いが、宮里の中にはある。ただ、一番強い思いは「もう少し(スコアを)伸ばしたかった」というプロゴルファーの本能に根ざすものだ。それこそが、連日詰めかける大ギャラリーへの恩返しであるという信念がある。
だから前日は「一番、プレッシャーがかかっていたのかな。予選通過は最低限の目標だったから」と思った以上の疲れを感じ、この日は「昨日の三分の一くらいしか気力を使ってませんね」と笑った。
その中で、1番パー5は3打目をグリーン右奥のカラーに運び、そこからパターでバーディーを奪う好スタートを切った。14番では3メートルのバーディーパットを沈め、この日2度目のガッツポーズをギャラリーに披露した。
良くても、悪くてもギャラリーからかかった「藍ちゃーん!」の大声援。宮里は「特に小さい子からの声援はうれしいですし、恩返ししたいなという気持ちだったので、もう少しバーディーを見せたかったな」と、小さな悔いもある。
「最後のサントリーレディースが終わってしまう」という感慨も湧いた。大会実行委員長のサントリーコミュニケーションズ(株)・山田眞二代表取締役社長は改めて「今後も宮里さんをサポートしたい」と表明した。
同大会での、ラストデー。日本で最後のラウンドになる可能性もある。「最終ホールで泣きたくないな。最後は、力強く終わりたい」。プロゴルファー・宮里藍の勇姿を、神戸のギャラリーに刻みつける。