【舩越園子の目】2位浮上トーマスが持つ強靱な精神力
「米男子ゴルフ・全米オープン選手権・第3日」(17日、エリンヒルズGC=パー72)
全米オープンの歴史を塗り替える9アンダー、63をマークして一気に2位に浮上したジャスティン・トーマスに注目が集まっている。18番でイーグルを取らなければ記録更新はないという状況で本当にイーグルを奪った強靱(きょうじん)な精神力には「さすがだ」と感心させられた。そして、いざ記録を更新し、拍手と歓声を浴びてからも、ずっとクールな表情を保っていたことには「さらに、さすがだ」とうならされた。
「記録更新はうれしいけど、それよりも全米オープンで優勝するチャンスを創出できたことがうれしい」。だからこそ彼は優勝争いができる最終日を前に気を引き締めていた。
トーマスは米ツアー4勝を挙げているが、その内訳はマレーシアで2勝、ハワイで2勝。「アメリカ本土では勝てない」なんて揶揄(やゆ)がSNS上に上がること、しばしば。だが、そんな外野の声に惑わされるトーマスではない。「23歳で4勝は、かなりいい成績だという自負はあるけど、人は必ず“何か”を言うものだ。大切なのは本土で勝てるかどうかより全米オープンで勝てるかどうかだ。でも僕はいつか必ず本土で勝てるという自信はある」。
その“いつか”が明日であることを私もひっそり祈っている。(在米ゴルフジャーナリスト)