松山ショック14位 1番OB響いた「切り替えられなかった」
「男子ゴルフ・全英オープン・最終日」(23日、ロイヤル・バークデールGC=パー70)
5位で出た世界ランク2位の松山英樹(25)=LEXUS=は3バーディー、2ボギー、1トリプルボギーの72と乱れ、通算2アンダーで14位。日本人男子初のメジャー制覇はならなかった。1番の第1打をOBにしたのが響いた。初日から首位のジョーダン・スピース(米国)が69で回り、通算12アンダーで大会初制覇。2015年マスターズ、全米オープンに続き、23歳11カ月でのメジャー3冠達成は、ジャック・ニクラウス(米国)に次ぐ歴代2位の年少記録となった。
乾いた音が鳴り、松山は奈落の底に突き落とされた。1番の第1打。3番ウッドで放った打球は海からの横風に乗り、右の林へ消えた。7打差を追うはずが、想定外のOB。夢も希望も、すべてのエネルギーも根こそぎ奪い取る、残酷な“悔打”だった。
「いい感じで振ったつもりが、球が曲がってしまった。やっぱり、うまくいかなかった」
練習ラウンドを含め3日目まではアイアンを振り続けてきたが、最終日はリスクを負ってウッドを握った。その決断が裏目に出た。よもやのトリプルボギー発進に、「ボギーかダブルボギーで収まっていたら、もう少し気持ちを入れ直して狙っていけたが…。うまく切り替えられなかった」。心まで打ち砕かれ、もはや余力はなかったのかもしれない。
全米オープン2位、世界ランク2位。大看板を背負い、本気でメジャーの頂点を狙っていたからこそ、ショックは大きい。4日間で順位は12、10、5と徐々に上がったが、スピースとの差は3、6、7と開いていった。ティーショットを曲げる場面が目立ち「少しきっかけをつかめそうだったのが、またなくなってしまった」と口にする。3パットは1度もなく、課題でもあるグリーン上で好調だっただけに惜しまれる。
今年最後のメジャーとなる全米プロ(8月10日開幕)に向け、「ちょっと落ち着いてから考えたい」。顔は青ざめていた。敗因を多く語らないのはいつも通り。だが、いつ、どんな時も強気に立ち向かってきた松山の姿も、そこにはなかった。