【舩越園子の目】メジャーで勝つためのメンタルとは
「米男子ゴルフ・全米プロ選手権・第1日」(10日、クウェイルホローC=パー71)
7月の全英オープンでの一場面。ブルックス・ケプカが初日に首位タイに付けながら2日目にやや後退した。すると、その前月に全米オープンを制したばかりの最もホットな選手だというのに、彼を待っていた記者は現地の英国人たった1人だけだった。
その現象は層が厚い欧米ゴルフ界では当たり前のこと。結果が出せなければ一気に注目外。競争社会の厳しさを物語る一場面だったが、たった1人だけの記者に笑顔で丁寧に答えるケプカの姿はとても印象的だった。
そして今日、全米プロで好発進したケプカがこんなことを言った。「みんなメジャーだからと言って特別視しすぎだ。僕にとってはどの試合もボールをカップに沈めて次に進む。それだけのことだ」
だからこそケプカ自身は常に同じ在り方で同じ対応。それは先週のブリヂストン招待を制した松山英樹が「メンタルコントロールしてハイにならないようにしたら、うまくいった」ことと通じるものがある。
平常心。自分は自分。そして松山が口にした「今の自分が僕なので」というフレーズが思い出された。
メジャーに勝つためには、そんな悟りの境地が求められるようで、そうだとすれば松山もそこへ近づきつつある。(在米ゴルフジャーナリスト)