松山 初V見えた!メジャー自己新64で初首位「優勝したい」
「米男子ゴルフ・全米プロ選手権・第2日」(11日、クウェイルホローC=パー71)
15位で出た松山英樹(25)=LEXUS=がボギーなしの7バーディーを奪う猛チャージで64をマークし、ケビン・キズナー(米国)と並び通算8アンダーで首位に立った。雷雨接近の影響で中断を挟み、日没サスペンデッドで25選手が競技を終えられず、12日に第2ラウンドの残りを回った。日本勢は谷原秀人(38)が通算4オーバーの60位、小平智(27)は同5オーバーの70位で予選を通過。池田勇太(31)は同9オーバーの106位で予選落ちした。
メジャー自己ベスト64を叩き出し、一気に頂点まで駆け上がった。ラウンド後に臨んだ公式記者会見。人気が低迷する日本男子ゴルフ界の第一人者として「最終日にここ(優勝会見)にいることができたら、すごく変わると思う。優勝したい」と力強くメジャー初制覇を誓った。
7バーディー、ノーボギー。一見、完璧なゴルフ。しかし、そこには計り知れない苦しみとストレスがあった。「ティーショットの感触がすごく悪くて、すごく疲れましたね」。1番、3番、4番、5番、6番…。がっくりと肩を落とし、ため息をついた。険しい表情でシャドースイングをしたのは1度や2度ではなかった。
開幕前に口にしていたショットへの不安をぬぐい切れない松山を救ったのは、アプローチとパットだった。圧巻だったのは7番パー5、グリーン左ラフから残り22ヤードの第3打。52度のウエッジでグリーン手前の傾斜面を使って勢いを殺し、2メートルにつけてバーディーを奪った。今大会がメジャー100試合目の同組エルスからグータッチを求められたほどの技の一打。前日31だったパット数も23に改善。「ショートゲームで助かった」は心からの言葉だった。
「ビックリした」
スタートホール、1番のティーグラウンドに立った時、すでにキズナーはホールアウトしていた。リーダーズボードを見て「『凄いなー、自分は予選を通れればいいな』と思ってプレーしてた」という松山。「凄いなーと思っていた人と並んでビックリしました」と他人ごとのように言った。
2日間で記録したバーディー13個は出場者最多。1時間43分の雷雨中断にも動じなかった。「ボギーは打ちたくないけど、どうしても避けて通れないところだと思うので、その分、バーディーがたくさん取れればいい。残り2日、どういうプレーができるのか自分でも楽しみです」。栄光に向かって走り出した松山を止められる者はいない。