松山英樹「テンション上がる」メジャー初制覇へ意欲燃やす

 「米男子ゴルフ・全米プロ選手権・第3日」(12日、クウェイルホローC=パー71)

 8アンダーの首位タイでスタートした松山英樹(25)=LEXUS=は1バーディー、3ボギーの73で通算6アンダー、207。首位のケビン・キズナー(33)=米国=と1打差の2位タイで最終日(日本時間14日、午前3時35分スタート)を迎える。他の日本勢は小平智(27)=Admiral=がこの日のベストタイとなる67をマークし、通算1オーバーで18位タイ、谷原秀人(38)=国際スポーツ振興協会=は通算7オーバーで64位だった。

 我慢のゴルフを強いられた。6番で舌打ちをし、12番ではクラブのヘッドを地面に叩きつけ、悔しさをあらわにした。そして、16番では天を仰ぎ、ため息をついた。「耐えてましたね」。初めて経験するメジャー大会最終組はピンチの連続だった。

 いきなり、つまずいた。1番パー4。ティーショットを右へ曲げ、1・5メートルのパットを外してボギーとした。前日にメジャー自己ベストの64で首位に並び、意気揚々と臨んだ決勝ラウンド。しかし、ショットの状態は不安定なまま。「今週ずっと自分の中にあった“違和感”がきょう思い切り出てしまった」。前日は好調だったショートゲームも精彩を欠いた。パッティングに至っては「ショットと同じくらい最悪でした」と吐き捨てるほどだった。

 最初の2日間でバーディーは出場選手中最多の13個を量産した。しかし、この日は7番の1つだけ。第2打を5Iでグリーンに乗せ、5・5メートルのイーグルパットは惜しくも外したが、楽々とバーディーを取ったのが唯一の見せ場だった。「グリーンマイル」と呼ばれる難所の3ホール、16~18番を含む最後の5ホールをパーでフィニッシュ。「良かったですね」と表情を緩めた。

 スタート前の練習中には右手首付近に不調を訴え、その場でトレーナーに治療を受ける場面があった。100%の状態でないことは自分自身がよく分かっている。スコアを落としたものの、首位との差はわずか1打だ。「自分のプレーの内容に不満があって気持ちは下がりましたけど、1打差というのはテンションが上がる」。約6時間のラウンド後は練習場へ直行。午後8時からおよそ30分、日没時間ぎりぎりまでパッティングの感覚をチェックした。

 最終日は最終組の一つ前の組でプレーする。前週のブリヂストン招待を含め、今季はここまで3勝を挙げている。「少なからず、(勝ちたい気持ちは)入ってくると思います。自分の状態がよければ、そんなこと考えず、思い通りやっていけば、勝てちゃうんですけど、そういう状態じゃないんで。少しでもいいプレーができて最後の3ホールぐらいで面白い位置にいれたらいいなと思います」。日本男子初のメジャー制覇へ。松山の頭の中で逆転優勝のイメージはすでにでき上がっている。

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