イ・ボミ「一生記憶に残る」復活の今季初V 28歳最後の日、完全優勝で大会連覇
「女子ゴルフ・CATレディース・最終日」(20日、大箱根CC=パー73)
首位タイで出たイ・ボミ(28)=韓国=が4バーディー、ボギーなしの69で回り、通算12アンダーで今季初優勝と大会2連覇を達成した。昨年11月の伊藤園レディース以来のツアー通算21勝目。2年連続賞金女王のイ・ボミは今季、ショットの不振で成績が低迷していたが、3日間首位を譲らない完全優勝で復活を告げた。菊地絵理香、ペ・ヒギョン(韓国)が通算9アンダーで2位を分けた。
女王が久々に勝利の味をかみしめた。イ・ボミは1・5メートルのウイニングパットを沈めると、右手を上げて、ギャラリーの大歓声にこたえた。約9カ月ぶりとなる復活V。「うれしい。今日のことは忘れられないし、一生記憶に残ると思う」と感極まったのか、心なしか声を震わせた。
ライバルは大山らではなく、昨年のこの大会で優勝した時の自分自身だった。スタート前に清水重憲キャディー(43)に「今日の私の目標は何?」と聞くと「去年のボミを目標にしたら」との答えが返ってきた。本調子ではないイ・ボミのメンタル面に配慮したベテランキャディーらしい心遣い。これが勝利への道しるべとなった。
試合は同組の大山が1番から3連続バーディー。動揺しても不思議ではない展開になったが、心は穏やかだった。「私の今日の目標は(大山)志保さんじゃなくて、去年のボミだから大丈夫」。5番パー3で思い通りのショットが打てると、6番からは攻めに転じ、ここからショットをピンに絡めて4連続バーディー。昨年最終日の72を上回る69を出し、見事自分に勝って優勝を引き寄せた。
今季は前週まで開幕戦の3位が最高で予選落ち3回。ショットに悩み成績が低迷した。どん底だった5月のリゾートトラスト(40位)では、コースから帰る車中で毎日号泣したという。「(21日が誕生日で)28歳最後の日に優勝できて、今年の不振は忘れられそう。これからも今週を忘れずに1週1週プレーしたい」。苦しみを味わった末の優勝で、女王がさらなる強さを身につけた。