勇太V 史上最年少で賞金10億円突破 2年連続賞金王へ加速
「男子ゴルフ・ANAオープン・最終日」(17日、札幌GC輪厚=パー72)
昨季賞金王の池田勇太(31)=フリー=が通算13アンダーで並んだ時松隆光(24)=筑紫ケ丘GC、今平周吾(24)=レオパレスリゾートグアム=との三つどもえのプレーオフを制し、今季2勝目を挙げた。ツアー通算18勝目。片山晋呉の33歳89日を上回る、31歳269日の史上最年少で生涯獲得賞金10億円を突破した。賞金ランクは6位に上がり、2年連続賞金王へ加速した。
勝負の流れを力ずくで奪い、圧倒した。プレーオフ1ホール目の第2打。先に打った時松はピンそば50センチに寄せるスーパーショットを披露した。
「やるな。やってくれるなぁと思ったのでやり返そうと思った」と池田。残り90ヤード、サンドウエッジで放った球はピンそば70センチにピタリ。危機を好機へと裏返してみせた。
続く2ホール目。2打目をグリーン奥へこぼした時松に対し、池田は残り98ヤードをピンそば90センチに寄せて連続バーディー。淡々とスーパープレーを重ねるすごみを突き付けられた時松は「勇太さんは数段上」と脱帽するしかなかった。
池田は昨年1月から着手した肉体改造によって、体重は8キロ増、平均飛距離は20ヤード伸びた。パワーが上がった分、球を制御する技が求められるはずが、「スイングを自由に変えられる運動感覚が本当に優れている。自分が担当するプロ野球選手と比較しても、圧倒的にすごい」と広瀬トレーナー。たゆまぬ努力が結実した裏側には、池田ならではの“巧みさ”があった。
生涯獲得賞金が10億円を超えても、「へえ。まあまあですね」と興味はない。「毎週、勝つつもりでいく」。池田が見ているのは優勝、その先にある2年連続賞金王だけだ。